※新幹線をお安く乗れると評判の「ぷらっとこだま」。
その名の通り、ぷらっと(気軽に)利用していいものかしら・・・?
そんなお悩みのあなたへ、この記事を贈ります!
この記事を読むと、こんなことがわかります
・「ぷらっとこだま」の基本知識が身につきます
・「ぷらっとこだま」の利用が自分に向いているのかいないのかが分かります(利用に向いている場合、向かない場合をまとめています)
・往復で新幹線を利用予定の場合、「ぷらっとこだま」より良いかもしれないプランを知ることができます
(この記事に掲載のデータは、2019年2月現在のものです)
こんにちは。
日本をあちこち旅行するのが大好き。
林家こん平師匠並みに第二のふるさとが多い「てりん」と申します。(ツィッターアカウント:てりん2 )フォローしてね!(ブログは毎日更新しています!月曜・水曜をのぞく)
大阪在住です。
やはり、主な旅先は東京とその近郊になりますね。
イベントや観光スポットも多いし。
と、なれば
そんな私がよくお世話になるのは、やはり東海道新幹線。
「東海道新幹線を安く乗る方法!」的な話の中で、まず間違いなくでてくるきっぷ、それが「ぷらっとこだま」です。
失礼!
ぷらっとこだまは、きっぷではありませんでしたね。
この通り、公式サイトにも書いてあるものね。
「ぷらっとこだまはきっぷではありません」
初めて見たときは、なんか不思議な呪文みたいに思えたのですが、これってどういう意味なのか?
ぷらっとこだまの良いところ、そしてデメリット、落とし穴などをしっかりチェックしていきましょう!
もくじ
「ぷらっとこだまはきっぷではありません」
きっぷの常識は「ぷらっとこだま」の非常識
ぷらっとこだまは
「JR東海ツアーズという会社の企画した旅行商品」という位置づけです。
旅行会社によくある「◯◯で海の幸を堪能!2泊3日の旅」などのパックツアー商品と同じようなものです。
パンフレットに書いてある「きっぷではない」ということは、そういう事を伝えたいわけです。なので、難しく考える必要はありません。
単に「ぷらっとこだまには普通のきっぷとは異なる独自のルールがあって、それを守れば良い」というだけの話なのです。
では、まずはぷらっとこだまはどのような商品なのか?
そして、それを使う際の注意点を解説したのちに
「使った方がいい人・使わないほうがいいかもしれない人」などについて書いていきます。
「ぷらっとこだま」で何に乗れるの?
東京と新大阪を結ぶ東海道新幹線の主要な駅間を、各駅停車「こだま」号のあらかじめ指定された列車の席に乗ることができます。(指定席のみ座れるので、勝手に自由席に移動してはダメ)
つまり、
「のぞみやひかりより遅いこだまに乗ってくれたら、安くしまっせ」
ということ。
「こだま」は大阪~名古屋間など空席の目立つ区間があるため、そこで発生する空席を埋めるためにつくられた商品なのです。
値段は乗る区間によって異なります。

※JR東海ツアーズのホームページより(新大阪発。値段は通常期のもの。画像は2017年のものですが2019年1月現在同じ値段です)
代表的な区間では、東京〜新大阪間の10500円。
正規の値段が14140円なので、およそ3500円近くやすくなるのです。
そのかわり、のぞみなら2時間半足らずでいける距離を、こだまは約4時間で走り抜けます。
のぞみの1.5倍以上の時間がかかるのがネックですが
このぷらっとこだまの一番の人気は、なんといっても「グリーン車プラン」。
通常期の、東京〜新大阪間を4時間まるごと、憧れのグリーン車に乗れてなんと!
12000円!!
と言われてもピンとこない人も多いかと思いますが、定価でグリーン車に乗るより6920円もお安いのです!!

「グリーン車って乗ったことない!」
そんなあなたは、移動の手段というよりも憧れのラグジュアリー空間を楽しむのを目的にしてみてはいかがでしょうか?
「ぷらっとこだま」のここが素敵!
ぷらっとこだまの素敵なところ。
それは当然「安い!」ことがひとつ。
最近は格安の飛行機も数多くありますが、住んでいる場所によっては、まず
空港までの交通費が結構大変!
そして、時間かかって面倒臭い!
そんな理由で、新幹線を選ぶ人も多いと思います。
東海道新幹線においては、各駅停車とはいえ、このぷらっとこだまがもっとも安く旅行できます。
グリーン車に関しては、文句なしでダントツに安いです!
そして、地味に嬉しいのが
ワンドリンククーポン!

旅のお供であるお茶やコーヒーなどを、駅の売店で交換することができます。
思わずにやけてしまいますね。
こういうのに弱いのよね、人って。
きっぷとは異なる意外なルール
ぷらっとこだまは旅行商品なので、普通のJRのきっぷとは全くルールが異なります。
そこで、要注意点をいくつかご紹介します。
1.座席の変更などが一切できない
日にち、座席、一切変更できません。
変更の場合は、一旦キャンセル料を払ってキャンセルしてからの再購入となります。キャンセル料についてはこの後の項で。
2.目的の駅以外の駅では一切降りることができない
当たり前の事のように聞こえますが
普通のJRのきっぷの場合、目的地の駅まででなくても、ルートの途中の駅で降りてそのまま旅行を終了することもできます。
大阪から東京までのきっぷで、途中の新横浜で降りて、そこで旅行を終了(先へ進まない)することもできます。
追加料金は発生しません。
一方、ぷらっとこだまの場合は
大阪から東京まで、と決めたら絶対に東京駅(または品川駅)まで行かないといけません。
途中の駅で降りると、最初からきっぷを持っていなかったのと同じに扱われ、乗った駅からのきっぷ代を全額まるまる請求されるのです。なので
「東京じゃなくて横浜で降りて中華街で美味しい肉まんを食べたくなっちゃった・・・」
と、思っても、降りれません。
目的の駅までちゃんと行きましょう。
3.JR東海の出入口の改札しか通れない
ぷらっとこだまで旅行する場合は、JR東海の改札しか通れません。
東京駅はJRと東日本と東海の改札が、新大阪駅は東海と西日本の改札があるため、間違って東海でないほうの改札に行くと、遠回りになります。
新幹線に乗るのに慣れていない人は、ここで手間取って最悪の場合新幹線に乗り遅れる場合もありますので、
十分に時間に余裕を持って行きましょう。
なお、指定の列車に乗り遅れたら、キャンセル料は100%。一切お金は戻って来ませんよ。
最重要ポイント!キャンセル料
安いものには、それなりの代償というものがつきものです。
通常のJRのきっぷとぷらっとこだまの最大の違い
それは、キャンセル料についてでしょう。
旅行商品ですから、旅行会社の旅行プランと同じような感じです。
ちなみにこのようになってます。

旅行当日の11日前までは無料。
そして前日40%、当日50%、さらに、乗り遅れたら100%のキャンセル料となります。
ということは
仮に子供が当日熱を出してキャンセルしたら、大人1人10500円の場合は5250円のキャンセル料・・・!!
精神的にきますねー、この金額は・・・泣
ちなみに、調べた事のある方なら
“JRの普通のきっぷも、旅行日の前日と当日は30%のキャンセル料がかかる”
というような話を聞いたことがあるかもしれません。
その通りなのですが、この場合の30%は特急券の金額に対してのみで、乗車券の場合はいつでも220円です。
東京~大阪間を新幹線で「のぞみ」指定席で移動するためには
・東京~大阪間を、新幹線を使おうが各駅停車でのんびり進もうが最低限絶対に必要なきっぷ「乗車券」(8750円)
・東京~新大阪間を新幹線利用するために、乗車券に上乗せして買わないといけないきっぷ「特急券」(「のぞみ」指定席を通常期に利用する場合は5700円)
この2枚のきっぷの合計14450円が必要です。(片道あたり)
旅行日の前日以降にきっぷをキャンセルする場合の手数料は
・乗車券のキャンセル料 220円(キャンセルする時期関係なし)
・特急券のキャンセル料 5700円の30%で1710円
合計 1930円
よって、キャンセルした場合に手元に戻ってくるお金は
14450円-1930円=12520円
ということになります。
まとめると
いざという時、キャンセル料の面では普通のきっぷの方がお得!
旅行のキャンセルって、急な出来事が原因として多いものね。
そういうリスクがあることはきちんと押さえておきましょう。
「ぷらっとこだま」どんな人に向いてる?向いてない?
結局「どんな人にぷらっとこだまはおすすめなのか?」
考えてみました。
「おすすめできる人」「場合によってはおすすめできない人」の順にご紹介します。
「ぷらっとこだま」をおすすめできる人
1.グリーン車の乗車経験が全くない、あるいはほとんどないので、乗ってみたいなという人
前述したように、ぷらっとこだまが最大のコスパを発揮するのは、やはりグリーン車に乗るとき。
そこで
「とにかく一度、グリーン車乗ってみたい!」
「若いうちに、ひとつでも一流の物に触れておきたい!」
なんて人に最適。
よく、自己啓発の本にも載ってますよね。
若いうちに、お金を貯めて、一流の店で寿司を食え、グリーン車に乗ってみろ、的なこと。
2.東京〜静岡間・大阪〜名古屋間など、200キロ区間くらいを乗車する場合
ぷらっとこだまの話になるとたいてい東京〜大阪の話になるんですが、それ以外の区間だってとってもお得なんですよ。
大阪名古屋間なんて、近鉄特急の定価くらいなのに、所要時間は半分近くだものね。「のぞみ」と比べてもさほどの所要時間の違いもないし。
これくらいの区間に乗る分には、「こだま」でも特に長いと感じないのではないでしょうか。
3.ライブ観戦等の、比較的体を使うイベント参加後の帰りのグリーン車利用(ただし夕方頃にはイベントが終わる場合)
体をバキバキに酷使したあとは、2時間半の普通席に乗るより、4時間のびのびゆったりグリーン車の方が、明日に疲れを残さないように思います(個人の経験から)。
「蒸気でアイマスク」との組み合わせは最強!!
フットレストに体重を預けながらぐっすり。
夢心地。
ただし、最終近くの新幹線だと、帰りが遅くなり逆効果。というか、もうすでに「こだま」が走ってない可能性大。
「ぷらっとこだま」を場合によりおすすめできない人
1.小さい子供のいる家庭
子供が急に熱を出して旅行がキャンセルに・・・。
キャンセル料の恐ろしさは前述した通り。おだいじに。
また、普通のきっぷであれば自由席にも乗れるわけですが
自由席では、乳幼児(小学校入学前日までの子供)であれば1人で席に座ってもきっぷ代は発生しません。
いっぽう、ぷらっとこだまは指定席なので
乳幼児が席を1人で座る場合には、こども料金が発生してしまいます。(無料にするには、親などのひざの上に乗せる必要あり)
子供が大きくなって「ひざの上に乗せるのは正直しんどい・・・」というご家庭では、あえて普通のきっぷの自由席にしたほうがトータルの値段は安くなる可能性がありますね。
https://terinn.net/lowcarbtripper/2018/05/06/jr-shinkansenn-child-fare/
2.出発駅(目的駅)が新幹線に乗る駅から遠い
新幹線の駅から比較的離れているところが出発駅(または目的の駅)の場合
「新幹線の駅までは普通のきっぷを買い、そこからぷらっとこだまを使う」よりも「最初から通しのきっぷを買って、のぞみやひかりに乗る」
ほうがコストパフォーマンスは優れている・・・なんてこともあります。
例えばですが
和歌山県有数の観光地、白浜から新大阪で特急に乗り、新大阪から東京まで行くとしましょう。
白浜から新大阪までは「特急くろしお」という特急が走っており、乗り換えなしで快適に行けることから人気です。
普通のきっぷの場合
白浜から東京までの乗車券は通しの値段になるため、割安になります。
さらに、新大阪で新幹線に乗り継ぐ場合、くろしお号のほうの特急券の料金が半額になります(乗り継ぎ割引)。
白浜~東京間のきっぷ代の比較
白浜から新大阪まで「くろしお号」指定席を利用。
新大阪から東京までは
1.ぷらっとこだま普通席を利用
2.白浜~東京間の通しの乗車券で「のぞみ」指定席を利用
で比較。
・1.ぷらっとこだまを利用する場合
白浜から新大阪までの乗車券と特急券の合計は5800円
ぷらっとこだまで東京まで10500円
合計16300円
・2.通しで普通のきっぷを購入する場合
(白浜から東京まで通しで購入、くろしお指定席(乗継割引適用)のぞみ指定席)
乗車券が10480円
特急券合計7120円
合計17600円
その差はわずか1300円となり、お得感が減少します。
「1円でも安く!」ということであれば前者でもいいかもしれません。
あとは、コスパがいいと思うほうを自分で選んで決めましょう。
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でも、それよりもさらにお得なプランもあるようで・・・?
(東京から関西方面へ行く人も利用できる方法です)
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