寝台特急サンライズ号

寝台特急サンライズ号で東京から大阪・関西へ夜行列車の旅!

サンライズ

(この記事の情報は2022年3月現在のものです。またきっぷ代は消費税10%時のものを記載しています。)

この記事を読むと、こんなことがわかります

・関東から関西へ、夜行列車で移動する方法がわかります

・関西の中心地・大阪や神戸には停まらない夜行列車で、大阪や神戸まで行く方法がわかります

・大阪や神戸まで、新幹線の往復よりも安く夜行列車に乗る方法がわかります

(注:東京行きは大阪・神戸にも夜行列車は停まります)

こんにちは。
日本を鉄道で旅するのが大好き
「てりん」と申します。

 

「関東から、関西(大阪・神戸)へ、寝台特急列車に乗って行ってみたい!」
そんな旅行を考えている方も多いのではないでしょうか。

 

現代は、バラエティー番組などでも取り上げられることも多いためか「夜行列車」「寝台特急」ブーム。

 

しかし
大きな需要があるにもかかわらず、極端に供給が少ないのが現状。

 

「ななつ星」
「トワイライトエクスプレス瑞風」
「トランスイート四季島」

など、超豪華寝台列車が続々登場していますが

お値段も、超豪華。

30万円~数百万円が予算の目安という、もはや庶民が軽い気持ちで利用することは不可能という状況です。

 

「庶民的なお値段で、夜行列車を楽しむことはできないものかしら・・・」

 

そんな、庶民のミカタ。それが

「寝台特急サンライズ瀬戸・出雲号」なのです!!

 

※大阪駅11番ホームに停車中の「サンライズ号」(深夜0時34分ころ)

 

※格安で乗車できる、カーペットで雑魚寝する「ノビノビ座席」と呼ばれる車両。

 

※電車に揺られながらシャワーを浴びる。
日常では絶対に味わえない不思議な体験

 

※シャワーを浴びたら、カウンター的な造りの「ミニロビー」で
ジュースを片手に、時折見える町の灯りを眺めながらのんびり過ごすのもオツ

「サンライズ号」で関西に出かけるときの注意点

大阪・神戸には停まらない?!

「サンライズ号」とは

出雲市行きの「サンライズ出雲」高松行きの「サンライズ瀬戸」
この2つの夜行列車のことです。

東京~岡山間は、2つの列車(それぞれ7両編成)がくっついて合計14両で走ります。

 

※サンライズ号の路線図(主な駅のみ)
途中の岡山駅で前と後ろの車両が切り離され、それぞれ出雲と高松へ向かう

 

「なんだ。関西へ出張や旅行で行くときに乗ろうと思ってたのに、無理なのかな・・・」

なんて、お嘆きのアナタ!

 

そんなことはありません!
東京・横浜から関西へ旅行するのにも「サンライズ号」は利用できますよ!
ちょっと一筋縄ではいかないけどね!

 

 

どうして一筋縄ではいかないのか?それは

 

東京を発車し、出雲・高松へ向かう「サンライズ号」(つまり下り列車)は
大阪・神戸などの駅には停まらないからです。

逆に東京行きの上り列車は、三ノ宮駅(神戸市の中心駅)と大阪駅には停まります。

上り・下りともに、京都には停まりません。

 

東京駅を夜10時に発車する「サンライズ号」は
夜中の1時過ぎに静岡県の浜松駅に停まります。

そして、その後は兵庫県の姫路駅までノンストップ!!

名古屋にも、大阪にも停まりません。

 

とりあえず関西で降りればいいじゃない

・・・となれば
方法はただひとつ。

 

「早朝に姫路駅で降りて、折り返し通勤電車で神戸・大阪へ移動する」

 

「それじゃあ、姫路まで行くことになるから、きっぷ代が高くなっちゃうんじゃないの?」

意外とそんなことはないのです。
詳しくは後述。

 

姫路駅には朝の5時25分に到着します。

ここから、折り返し大阪方面へ向かう電車に乗っていくのです。

 

大阪方面へ向かう通勤電車は
姫路駅5時43分発 新快速 野洲(やす)行き

これに乗ると

三ノ宮駅 6時25分着
大阪駅  6時50分着
京都駅  7時19分着

神戸・大阪には7時前には到着できるのです!!

通勤電車の時刻は、曜日ごとに異なったりダイヤ改正もこまめに行われます。
あくまでもこの記事を作成した時点での情報なので、最新の時刻は必ず公式サイトなどでご確認ください!

 

逆に東京方面へ戻る場合には
サンライズ号は、姫路駅はもちろん三ノ宮駅・大阪駅にも停車するので、そこから乗ることができとても便利です。

(新幹線の駅である新大阪駅には停まらず、スルーします。
勘違いすると絶望的なことになってしまうので要注意!)

各駅の東京行きサンライズ号発車時刻

姫路駅 23時35分
三ノ宮駅 
0時13分
大阪駅 0時34分

 

東京行き「サンライズ」で帰る人は「きっぷの日付」に注意!

三ノ宮・大阪駅を発車する時には、日付が変わっています。

この場合、特急券・寝台券に書かれている日付は日付が変わった日のものでないといけないのか?

あるいは、その日のサンライズ号が始発駅を出た日付のものでないといけないのか?

ちょっとややこしいので、きっぷを買う際はこの記事を参照してしっかり確認しておきましょう。>>>夜0時過ぎにJR夜行列車(サンライズ号等)乗る時の切符の日付は?

 



サンライズ号で関西へ行く際のきっぷ代はいくら?

まずは寝台特急のきっぷの仕組みを知ろう

サンライズの列車種別は「寝台特急」です。

「寝台特急」に乗る場合には
「乗車券」「特急券」「寝台券」という、3つのきっぷが必要です。

 

「乗車券」「特急券」「寝台券」の意味

・乗車券・・・新幹線に乗ろうが通勤電車でのんびり進もうが、JRで移動するために絶対必要なきっぷ。
片道601キロ以上の距離を移動する場合、往復割引が使用できる。

・特急券・・・普通の通勤電車(快速・各駅停車など)よりも早く移動できるサービスに対して払うきっぷ。(往復割引は無い)

・寝台券・・・寝台個室の利用料として買うきっぷ。ノビノビ座席には不要。
(往復割引は無い)

特急券は、新幹線に乗る場合などにも買います。

 

この3つのきっぷのうち
「乗車券」だけは、片道601キロ以上を往復で移動する場合に「往復割引」(1割引)を使うことが出来ます。

これが、今回の最大のポイント。

 

具体的なきっぷ代を計算してみよう

サンライズで姫路駅まで移動し
折り返し神戸・大阪まで戻り、観光などをした後で東京へ帰る場合

きっぷ代はいくらになるのでしょうか?

 

新幹線

まずは参考・比較用として
「のぞみ」自由席で東京~大阪を往復した場合のきっぷ代を確認しましょう。

 

・乗車券・・・往復17820円
・特急券・・・往復9920円

合計 27740円

 

 

次に

行きは「サンライズ」で姫路まで、標準的な寝台個室「シングル(1人用)」を利用。

姫路から折り返し大阪駅まで向かい、新大阪駅から「のぞみ」自由席で帰る場合。

・乗車券・・・東京~姫路 往復18000円(往復割引適用時)
・「サンライズ」特急券+シングル寝台券・・・11000円
・「のぞみ」特急券・・・4960円

合計 33960円

 

 

行きはシングルではなく
寝台券不要の「ノビノビ座席(カーペットで雑魚寝)」を利用する場合。

・乗車券・・・東京~姫路 往復18000(往復割引適用時)
・「サンライズ」の特急券・・・3830円
・「のぞみ」の特急券・・・4960円

合計 26790円
注:「ノビノビ座席」の特急券料金は、シーズンにより200円前後する。

 

なんと!!

ノビノビ座席だと、「のぞみ」往復よりも安い!!

大阪を80キロ以上オーバーランして、姫路まで移動しているのにもかかわらず・・・。

これは、いったいどういうこと??

最大のキーポイント「往復割引」

もうお気づきですね?
ここでの最大のポイントは

「東京~姫路の乗車券には往復割引が適用される」という点。

 

「同じ路線」を往復すると使えるのが往復割引ですが

東京~姫路間は、新幹線も在来線(サンライズ)も切符上は同じ路線として扱われるので、往復割引が利用できるのです。

 

本来、東京~姫路の片道の乗車券の値段は10010円。
つまり、往復だとその2倍で20020円となるはずです。

 

しかし
東京~姫路の距離は644キロあるため、JRの乗車券のルール

「片道601キロ以上の距離を往復で移動する場合、往復乗車券としてきっぷを買うと、行きと帰りがそれぞれ1割引になる」

が適用されるのです。

(横浜~姫路間も601キロ以上なので、往復割引の適用が可能)

 

そのため、片道あたりの値段は

10010×0.9=9000(1の位は切り捨て)となり

9000×2=18000円で往復乗車券を買うことができるのです!

 

いっぽう
東京~大阪間や東京~神戸間は600キロに満たないため、往復割引が適用されません。

この違いによって、乗車券の値段の差がほとんどなくなるのです!

「往復乗車券」として
あらかじめ旅行前に行きと帰りの乗車券をセットで買わないと往復割引は受けられません。

「東京駅で行きの乗車券だけ買って、姫路駅で帰りの乗車券を買う」
というような買い方だと割引は受けられないので注意!

 

神戸・大阪・京都の観光は「途中下車」で!

「でも、東京~姫路の往復のきっぷを買って神戸や大阪で観光できるの?」

 

大丈夫!
できますよ!

片道の距離が101キロ以上のJRの乗車券は「途中下車」ができます。(一部例外あり)

途中下車とは、最終目的地までのルート上の途中にある駅で、きっぷを回収されることなく、改札の外に出て観光などができる制度のことです。

 

なので、この場合

「姫路から東京へ向かう帰りの乗車券で、帰りのルートの途中駅である三ノ宮駅や大阪駅、京都駅にも追加料金無し・乗車券はそのままで降りることができる」のです。
(途中で引き返すのは厳禁!)

 

 

※行きは、姫路まで乗車券を使い、姫路の改札で回収。
再度姫路の改札を通り、帰りの乗車券の使用を開始。
三ノ宮(神戸)・大阪・京都などを途中下車で観光した後「のぞみ」で東京へ。

 

東京~姫路の乗車券を買うと
きっぷには「券面表示の都区市内各駅下車前途無効」と書かれていますが

これは「東京23区内のエリアの駅では途中下車ができない」という意味なので、関西で途中下車する分には関係ありません。

まとめ

「大阪や神戸・京都を旅するのに、行きは「サンライズ号」で姫路まで移動するのは、きっぷ代的にはそれほど損はない(往復割引をうまく利用すれば)」

むしろ
ついでに姫路城を観光したり、姫路おでんを食べたりして姫路を満喫しちゃえばいいじゃん!

これで、万事解決。

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