鉄道トリビア

TPOで使い分け? 「電車」「列車」「汽車」「新幹線」言葉の違い

気動車

※この写真は「電車」?「列車」?「汽車」?
(こたえはこのページの最後で!)

 

こんにちは。
鉄道で日本を旅するのが大好き
「てりん」(@terinn2019)と申します。

 

いきなりですが、ここでクエスチョン。

これをなんと呼びますか?

そう、レールの上を走る、「これ」です。

 

「電車でしょ?」

「え、汽車って呼ばない?」

「いやいや、これは電車じゃなく、オイルを燃料にして走るディーゼルカーだよ」

 

レールの上を走る「これ」には、いろいろな呼び方があります。
一体、どう呼ぶのが正しいのでしょうか?今日はそんなお話。

まずは、「これ」を示す
いろいろな言葉の意味を確認していきましょう。

「電車」「列車」「鉄道」の違い

電車とは、電気をエネルギー源として走る鉄道車両を指します。

外見で見分ける手っ取り早い方法は「パンタグラフがあるかないかを見る」です。

パンタグラフ※パンタグラフ

電車は、このパンタグラフを使って架線から電気を取り入れます。
パンタグラフのついている車両は、電車なら必ずどこかにあるはずです。
(地下鉄の電車など、パンタグラフの役目を果たす装置が車体の下のほうにあるものもあり)

 

パンタグラフが全くなく、しかもオイルのにおいがする場合は、それは電車ではなくディーゼルカー(気動車とも呼ぶ)です。(最近のディーゼルカーはあまりオイルくさくないけど・・・)

 

現在の日本では、レールの上を走る車両には、主に電車と、ディーゼルエンジンで走るディーゼルカーの2種類があります。

地方のローカル線はディーゼルカーが走っていることが多く、「電車」は走っていないことがよくあります。

 

つぎに「列車」という言葉の意味です。
列車とは「あらかじめ運行される時刻などが決まっていて、乗客や貨物を運ぶ鉄道車両」を指します。

つまり、私たちが普段通勤通学や旅行で乗る電車やディーゼルカーは、全て「列車」という言葉で表現できると言えるでしょう。

 

「列車」でない例としては
「特に走る予定も無く、車庫に放置されたままのもの」などが挙げられます(こういったものは、単に「車両」と呼びます)

 

「列車は「列をなしている」という意味合いがあるから、1両で走っている電車やディーゼルカーは列車とは呼ばないのではないか?」
という話を時々聞きますが、別に1両で走っているものも「列車」と呼んで差し支えありません。

 

「鉄道」という言葉には
列車の他に、 レールや信号・駅などの設備なども含めた広い概念の言葉になるので、電車を指差して「鉄道だ!」と呼んでも間違いではないのですが、ちょっと大げさな表現に聞こえてしまうかもしれません・・・。

 

まとめると
「鉄道車両を見たら、列車という表現をするのが一番間違いない」ということになります。

地域や世代で使い分けがある?

しかし、実際には
「地域や世代で使い分ける」ことが多いようです。

 

例えば東京では、鉄道車両は全てひっくるめて「電車」と呼んでも問題ありません。
実際、東京駅を発着する定期列車(毎日決まった時間に走る列車)は全て電車です。ディーゼルカーや、それ以外の種類の列車はありません。

関東全域にエリアを広げると、ディーゼルカーは地方でチラホラ走っていますが、かなりの少数派です。

 

大阪も同じようなもので
大阪駅からは鳥取へ向かう「スーパーはくと」や「はまかぜ」など一部ディーゼルカーが乗り入れているものの、圧倒的に電車の数が多いので、レールの上を走るものは全てまとめて「電車」と呼んでも差し支えはありません。

 

要するに、大都市部では
「鉄道=電車」であり、ディーゼルカーも含めて全て「電車」と呼んでも不自然ではないので、いちいち気にする必要はないということですね。

 

一方、「電車」がまったく走っていない県があります。

それは徳島県です。
(沖縄県には「ゆいレール」という電気で走るモノレールがあり、電車と定義できる)

 

徳島県にはもちろんJR路線は通っているのですが、走っている全ての列車がディーゼルカーなのです(香川や高知など、隣の県に乗り入れているものも含む)
つまり「電車」が存在しない世界なのです。そんな徳島では、主にどんな呼び方をしているのでしょうか?

 

それは「汽車」です。

 

「汽車」とは本来、蒸気機関車(SL)のことを指します。

つまり、電車が登場しなかったことにより、蒸気機関車時代からの呼び方がそのまま残っているわけですね。

いちおうディーゼルカーもわずかに煙が出ること、また呼び名として「ディーゼルカー=汽車」という呼び方が間違っていないとされていますが

「ディーゼルカーが走っているから、汽車と呼んでいる」というよりは
「昔からJR(国鉄)のことを汽車と呼んでるから、今もそう呼んでいる」という方が正しいのではないでしょうか?

・・・が、そこは別にどっちでもいいですね。

 

また、地域独自のルール?もあります。

広島市では、現代の人がそう呼ぶかどうかはわかりませんが、かつては「電車」といえば、広島電鉄(路面電車)のことを指していたようです。

これは、路面電車が古くから電車だったのに対し、かつての国鉄は蒸気機関車がメインだったことに由来しているのでしょう。

いまでも年配の方は、そう使い分ける人がいるかもしれませんね。

「新幹線」=「電車」だが「電車」=「新幹線」とは限らない

新幹線も、電気で走るものなので立派な電車です。

そもそも「新幹線」という言葉は路線そのものを表す言葉で、カモノハシのような姿をした車両たち(700系など)のことは、正確には「新幹線電車」と呼びます。関連記事:在来線とはどういう意味?その答えは「新幹線」という言葉にあった!

秋田 こまち※新幹線を走る新幹線電車(ややこしい)

 

いっぽう山手線などの、新幹線以外の普通の電車(いわゆる在来線)については、電気で走るものであればもちろん電車ですが、新幹線と呼ばれることはありません。当たり前ですけど。

つまり「新幹線」=「電車」ですが、「電車」=「新幹線」とは限らないわけです。

これを、たしか、必要条件とか十分条件とか言うんでしたっけ?
高校時代に数学をサボっていた僕にはさっぱりわかりません。
ヘルプミー。

呼び方は自由なのであまり気にせず

基本的には、レールの上を走る車両のことをどう呼ぶかは自由です。
電気で走る電車が主流の現代では、全部ひっくるめて電車と呼んでも別にいいと思います。

ディーゼルカーを電車と呼んだところで、ささいなことです。いちいち神経質にならないようにしましょう。

強いて言うなら、話している相手に合わせて呼び方を変えるのが一番スマートな対応ですね。

鉄ちゃんと話すときには正確にその車両の種類で呼び(分からない場合は「列車」と呼べば間違いなし)
徳島の人と話しているときは「汽車」と呼び、広島の人と話すときは「JR」と「広電(路面電車)」を明確に使い分けるなど、TPOに合わせて使いたいものですね。

消えた鉄道用語「国電」

最後は、ちょっと余談。

かつての国鉄では、全国的には蒸気機関車が多く活躍しており、電車というのは主に人口の多い都市部にのみ走っているものでした。

そのため
山手線や中央線、京浜東北線など東京都心の電車と
大阪環状線や東海道線、阪和線や大和路線など、大阪都心の電車のことを
「国鉄の電車」略して「国電」と呼んでいました。
(国電の走るエリアを「国電区間」と呼んだ。これは、現在も「電車特定区間」という名で残っている)

国鉄が民営化してJRになると、すでに電車が珍しいものでもない時代だったこともあり、大阪では国電という言葉に変わるものはなくなりました。

いっぽう東京では国電という言葉が定着していたからか、JRになった後に「国電に変わる新しい言葉を!」ということで
「E電」(East(東日本)の電車区間という意味)という、なかなかに「アレな」感じのフレーズが爆誕しました。

 

 

しかし、この言葉を知っている人がほとんどいないまま、E電は死んだ!
なぜだ!

 

こんな名前だからさ・・・

 

 

こうしてまったくもって不評なまま、というか人々に認知されることまなく、E電という呼び名はひっそりと消えてしまったのです・・・。

 

トップ画像のこたえ

トップ画像の車両は、九州を走るディーゼルカーです。
ディーゼルエンジンで走る車両のことを「気動車」と呼びます。

よって正解は
「気動車」または「列車」
のどちらかの呼び方が正しいのです。
(この写真だけだとわかりにくいけどね・・・)

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