この記事を読むと、こんなことがわかります
・休日おでかけパスの基本的なルールがわかります(新幹線や特急・グリーン車に乗れるか?など)
・おでかけパスの乗り越しのルールがわかります(特にややこしい「高崎」「宇都宮」などの乗り越しなど)
こんにちは。
鉄道で日本を旅するのが大好き
「てりん」と申します。
今回は、東京近郊のおでかけに大活躍する
JR東日本のフリーパス「休日おでかけパス」の使い方について解説します。(以下「おでかけパス」と表記)
基本的な使い方から
「宇都宮・高崎など、乗り越しがちょっとややこしい駅の精算方法」まで
いろいろと書いていきたいと思います。
もくじ
休日おでかけパスの基礎知識
使える範囲はどこからどこまで?
利用可能なエリアは
りんかい線・東京モノレール全線と、以下の図のJR線。
東海道新幹線の東京~小田原間はJR東海のエリアとなるので、使用できません。
普通の電車(在来線。上野東京ラインなど)を利用しましょう。
※休日おでかけパスの範囲(JR東日本のページより)
宇都宮駅、高崎駅などは範囲ではないのがミソ?
「休日」とはいうけれど、いつ使えるの?
具体的には
土曜日・日曜日・祝日および
4月29日~5月5日、7月20日~8月31日、12月29日~1月3日の毎日で利用が可能。
カレンダー上の休みの日とゴールデンウィーク・年末年始、そして夏休みは毎日利用可能ということですね。
有効期限は、その日1日限りです。
もし帰りが遅くなって日付が変わってしまった場合は、改札を出ない限り有効です。
言い方を変えると
「自宅の最寄り駅まで寄り道せずまっすぐ帰れば、日付が変わっても大丈夫」
ということ。
なお、東京電車特定区間内まで戻ればもう一安心。
このエリアではその日の終電が終わるまで何度でも乗り降り自由なのです。
※東京電車特定区間内の図。中央線は高尾までなのでほぼ安心だが、東海道線・高崎線・宇都宮線あたりは気をつけないとあぶない・・・?
おでかけパスはどこで買えるの?
購入場所は、フリーエリア内のJR東日本の主な駅の指定席券売機、みどりの窓口、びゅうプラザ、提携販売センター及び主な旅行会社です。
※窓口に並ぶことなく、おでかけパスを指定席券売機で買うなんて、生意気ね。
(都区内パスや青春18きっぷなど、おトクなきっぷは結構この券売機で買えちゃいます。こんな嬉しいことはない!)
おねだんは大人が2720円、小児が1360円。
(2019年10月現在、消費税10%時の金額)
きっぷの「小児」の意味は?
「小児」とは小学生のこと。(中学校入学の年の3月31日まで)
中学生以上はおとなの2720円で(学割無し)
幼児(1歳~小学校入学前の日まで)・乳児は、基本的にはフリーパスを買わなくても電車に乗れます。
ただし、新幹線や特急などの指定席(グリーン車含む)に1人だけで座らせる場合には、幼児・乳児でもフリーパスなどの乗車券を買わないといけません。
詳細は、この記事を参照くださいね!
>>>何歳から有料?電車や新幹線などJR子供料金の仕組みと注意点
※東京近郊で良く見かける、2階建ての普通の電車のグリーン車。
このグリーン車は自由席なので、乳幼児が1人で席に座っても基本的には乗車券・グリーン券はいりません。が、混雑時には膝の上に乗せるなどマナーには気をつけましょう
どんな電車に乗れるの?新幹線も乗れる?
おでかけパス1枚だけで乗れる電車は
・各駅停車
(「普通」と呼ばれることも多い)
・「快速」という言葉が入る電車
(快速アクティなど。中央特快や青梅特快の「特快」は「特別快速」の略なので、これもOK)
以上の2つです。
おでかけパスのほかに特急券やグリーン券を追加で購入すれば
新幹線(東京~小田原間の東海道新幹線をのぞく)や在来線特急(「あずさ」「踊り子」「あかぎ」など)、2階建てのグリーン車自由席に乗ることも出来ます。
<乗車券と特急券の違い>
●乗車券・・・新幹線に乗ろうが通勤電車(鈍行)でのんびり進もうが、JRで移動するために絶対必要なきっぷ。
最初にJRを利用する駅から、最終目的地までの区間の分を買わないといけない。
普通列車(各駅停車、快速)に乗る場合は、これだけ持っていれば大丈夫。
●特急券・・・新幹線や特急に乗る場合、実際に乗る区間の分だけ、乗車券に上乗せして買わないといけないきっぷ。
新幹線や特急に乗る場合には「乗車券+特急券」という組み合わせのきっぷが必要。(1枚のきっぷにセットになっている場合あり)自由席か指定席かで値段が変わる。(東日本は指定席しかない電車も多い)
休日おでかけパスは
「エリア内で乗り降り自由な、特殊な乗車券」
という分類になります。
普通列車の2階建てグリーン車には、グリーン券を追加で買えば乗れます。
※2階建てグリーン車の料金表。事前に券を買うか車内で買うかで値段が変わる。ぜいたく品的な意味合いのため、グリーン料金にはこども料金の設定が無い。
おでかけパスで乗り越しする方法
おでかけパスで乗り越しをする場合
その計算方法は「運賃打ち切り方式」を採用します。
これは
「乗り越しをして行きたい駅と、おでかけパスで行けるギリギリの駅の区間の運賃を追加で払うことで精算する」というもの。
具体例で説明しましょう。
たとえば、水戸駅まで乗り越ししたい場合。
おでかけパスを使って、常磐線でいけるギリギリの駅は土浦駅。
よって
水戸まで乗り越す場合に足りないのは「土浦~水戸間の運賃990円」
になります。
※乗り換え案内で「土浦~水戸」を調べれば、運賃がすぐに出てくる。
特急料金との合算金額が出る場合があるので注意(「指定席○○円」と書かれた金額は無視)
精算金額はIC運賃ではなく紙のきっぷの金額。
なお、水戸駅で精算するのもいいですが
あらかじめ「土浦~水戸」の乗車券を買っておくほうがスムーズです
(おでかけパスとこの乗車券を重ねて自動改札機に入れる)
※多くの東日本の駅に置いてある、指定席券売機。
新幹線・特急のきっぷを買うのによく使われるが、実はどこの区間の乗車券でも買えるので、たとえば東京駅の券売機で「土浦~水戸」の乗車券を買うことも可能
帰りは、普通に水戸駅で土浦までのきっぷを買えばオーケーです(あらかじめ指定席券売機で往復で買っておいても大丈夫)
この精算方法は、どの駅へ向かう場合でも同一です。
宇都宮・高崎へ向かう場合も基本は同じなのですが、ちょっとひとクセあるようで・・・。
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宇都宮・高崎駅をフリーパスで乗り越しする方法
宇都宮駅および高崎駅の乗り越しは、ちょっとややこしいです。
なぜかというと「新幹線と在来線でフリーエリアの端っこの駅が異なるため、どの駅を基準にして精算すればいいか分かりにくい」からです。
※宇都宮駅へ向かう場合のおでかけパスの範囲は、在来線は自治医大まで。
いっぽう新幹線は小山まで。じゃあ、新幹線で乗り越す場合は小山~宇都宮の運賃(510円)を払えばいいの・・・?
では、いったん細かい話は抜きにして結論を。
・宇都宮駅で乗り越しする場合は、新幹線経由・在来線経由であっても、自治医大~宇都宮駅の運賃(330円)を精算して支払えばオーケー
新幹線に乗って東京方面~宇都宮駅を移動する場合、小山~宇都宮の運賃(500円)を支払う必要はありません。
・高崎駅で乗り越しする場合は、新幹線経由・在来線経由であっても、神保原~高崎駅の運賃(240円)を精算して支払えばオーケー
※新幹線に乗って東京方面~高崎駅を移動する場合、本庄早稲田~高崎の運賃(330円)を支払う必要はありません。
理由が気になる方は、この記事の最後に書いているで読んでみてください。
気にしない人は全部飛ばしてもらってオーケーです。
なお、新幹線に乗る場合に
「特急券は宇都宮まで買っているのに、乗車券はおでかけパスしか持っていない(つまり宇都宮までの乗車券がない)」
状態では確実に自動改札機でエラーが出てしまい、駅員さんに説明するのも面倒で手間がかかります。
ですので
あらかじめ出発前に駅の指定席券売機で乗り越し区間の乗車券を買っておくのがスムーズでしょう。
(東京駅で新幹線に乗る前に、自治医大~宇都宮の乗車券を買っておく等)
たぶん全部のきっぷを重ねて入れれば自動改札を通れる・・・と思うのですが、実際に試したことが無いのでわかりません
(無理でも、有人改札で駅員さんにきっぷを見せれば通してくれます)
補足:宇都宮駅および高崎駅の乗り越し精算の計算法の根拠
宇都宮駅の乗り越しについて
在来線の東北本線と東北新幹線はきっぷのルール上、同じ路線として扱うということになっています。(旅客営業規則第16条の2より)
同じ路線ですから、在来線経由と書かれた乗車券であっても、特急券を買えば新幹線に乗れるということになります(逆もオーケー)。
宇都宮線の小山~自治医大~宇都宮間は、東北本線です。
(宇都宮線とはあくまでも愛称。正式には東京~盛岡を結ぶ東北本線の一部)
つまり、小山~自治医大~宇都宮のきっぷを持っていれば、東北新幹線の小山~宇都宮間を乗ることができるという解釈になるわけですね。
よって、おでかけパスを持った状態で自治医大~宇都宮の運賃330円を精算すれば大丈夫という事になるわけです。
宇都宮以遠の駅(那須塩原・郡山など)へ乗り越す場合も、自治医大からの乗り越し計算で大丈夫です。
高崎駅の乗り越しについて
宇都宮の場合と異なり
高崎線の熊谷~神保原~高崎間と上越新幹線の熊谷~本庄早稲田~高崎間は別の路線として扱います。(旅客営業規則第16条の2の2項より)
これは、間に「本庄早稲田」という、在来線には無い駅が存在するからです。
ということは、新幹線で熊谷~高崎を移動する場合には、本庄早稲田駅を基準にして乗り越ししないといけない・・・となりそうですが
いっぽうで「選択乗車」という別のルールが存在するのです。
これは「JRが指定する、AとBの2つのルートが選べる場所においては、Aルート経由と書かれたきっぷであってもBルートを選んで通ってもいいよ(逆もオーケー)」というものです。
※選択乗車のルールに関する記述。(JR東日本ホームページより)
熊谷以遠(行田、東京方面)と高崎以遠の駅を移動する場合は、この区間は新幹線経由でも在来線経由でもどちらでもいいよ、というルールとなっている。
「以遠」とは分岐駅も含まれるため
高崎駅で乗降する場合であっても選択乗車の適用が可能ということになり、新幹線で東京方面からやってきて高崎駅で降りる場合であっても、在来線の神保原~高崎の運賃を精算すればオーケーという解釈になるわけです。
また、2枚のきっぷを併用して選択乗車をすることも可能ですので、「おでかけパス+神保原~高崎のきっぷ(回数券も可)」という組み合わせで乗ることも出来ます。
選択乗車は、JRの規則の中でも最高峰といっても過言ではないほど、とてもややこしいルールです。
くわしくはこの記事で解説しています!詳しく知りたい方はどうぞ!
>>>ねぇ、どっちを選ぶ?JR選択乗車とはどういう意味なのか?
・・・ふぅ。
高崎・宇都宮までおでかけパスが使えればいいのになぁ・・・(切望)
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