今年も、青春18きっぷのシーズンがやってきました。
普通の電車(快速など)に乗って、長距離を旅する人たちが激増する時期ですね。
僕も、18きっぷで長距離の旅をするのが大好きです。
ところで
旅の計画を立てるとき、ふと思うんです。
それは
「どうして、普通の電車はもっと長距離を走らないんだろう?」
たとえば
東京~大阪を走る快速電車が毎日走っていれば
・長距離を旅行する人(18きっぷ利用者など)にとってすごく便利
・通勤など比較的短い距離を移動する人でも、乗り換えを強いられる人が激減するので便利!
お客さんにとってはメリットが多いはず。
「ああんっ、なんで降りる駅の一つ手前で乗り換えないといけないのぉぉ!」
なんて悩みも
ぐっと少なくなるのにね。
なのに、なぜそんな電車が走っていないんでしょう?
昭和の時代には
「東京~大阪を一晩かけて走る普通夜行列車」
「京都府の福知山を出発して、鳥取・出雲・下関を経由して九州の門司(もじ)まで行く普通列車(約600キロ)」
なんてのも毎日走っていました。
でも、それもはるか遠い過去の話。
もちろん、現代では
「同じJRでも、途中で会社が変わる(熱海より東はJR東日本、熱海より西はJR東海など)」
「長距離は新幹線を使う人が多いから需要がない」
という理由もありますが。
それ以前に
いろいろと、長距離の電車を走らせることが難しい理由があるのです・・・。
今回は
「東京~大阪間を走り抜ける普通の電車がないのはなぜか?」
というテーマで書いていきますが
これから書いていく、その理由は
東京~大阪以外の、全国の鉄道路線でも同じようなことが言えるので
「なるほど、そういうものなのか」
という感じで読んでみてくださいね!
もくじ
東京~大阪直通の通勤電車が走らない理由
東京の人身事故で、名古屋大阪が大迷惑!
東京~大阪間を走る電車があるとします。
この電車で
もし東京都心で人身事故が起こると、ダイヤが乱れてその先の静岡や名古屋、大阪の人にも影響が出てしまいます。
現実には
東京を走る長距離電車は、たいてい熱海で折り返します。
なので
東京~熱海間はダイヤが乱れて大変なことになりますが
熱海より先、名古屋や大阪などへの影響はまったくと言っていいほど無いのですね。
人身事故だけではなく
台風などの災害も同じことが言えます。
大阪に上陸した台風の影響で
東京の電車の運行に乱れが出たら大変ですからね。
あらかじめ走る区間が短ければ(区切っておけば)
こういったアクシデントに柔軟に対応できるというメリットがあるんですね!
お客さんの数は区間で異なる!
当たり前ですが
東京~大阪間といっても
区間によっては、お客さんの数は全然違います。
なので
東京~大阪を走る電車だけを毎日100本走らせる・・・
というような事をすると
輸送量にムラが出るのです。
全区間を15両の電車で走らせると
東京や大阪などの大都市では、それでも人を運びきれないかもしれません。
でも、静岡や滋賀あたりでは
15両は明らかに多すぎます。
それだったら
お客さんの数が少ない区間では、4両や6両などの短い電車を走らせた方がバランスが良いし、重さも軽くなるので走る電気代も少なく済みますね。
電車の数にも限りがあります。
都市部では
電車は短い区間を走らせて何度も往復させれば、1つの電車でもかなりの人を運ぶことができますね。
こういった理由で
1つの電車で、300キロを超えるような長い距離を走らせることはあまりないのです。
100キロ、200キロを走る電車が多いだけでもありがたいと、個人的には思ってます(о´∀`о)
電車だって家に帰りたい!
聞いたこともないような駅が終点の電車を見かけませんか?
東京あたりを走る電車なら
「国府津(こうづ)」や「籠原(かごはら)」
大阪あたりなら
「野洲(やす)」や「網干(あぼし)」
など。
どんな町なのかよく分からない
それどころか
何て読むのかすら分からない!
しかも
比較的大きな町の手前だったりすることもあって。
なんでこんな中途半端な場所が終点なんでしょう?
こういった駅の近くには
たいてい車庫、つまり電車の家があるのです。
ここに戻って
一休みしたり、検査・点検をしたりするわけですね。
電車だって
一日中走らせっぱなしのブラック企業では働きたくないのです( ;∀;)
何より
検査・点検は電車の安全のためですから、仕方のないことなんですよね。
新幹線に乗せたいから・・・??
静岡県内では、中途半端な駅で止まる電車をみかけます。
その代表格が
「島田(しまだ)」「興津(おきつ)」です。
この2つの駅止まりの電車が多いおかげで
熱海~静岡~浜松を乗り換えなしで移動することが非常に困難になっているのです。
※浜松、島田、静岡、興津、三島、熱海の位置関係。
三島止まりの電車も多く、熱海~浜松を移動するのに2回も乗り換えするハメになることも多い
でも
この2つの駅の近くには車庫はありません。
大きな町か?といえば
そんなこともありません。
どれくらいの規模かというと
「興津駅の近くには何もないけど実はコンビニがあるのだ!」
というネタが
ブログ記事になるほどです( ; ゚Д゚)
(僕の書いたブログではありません)
なんで、こんな中途半端な場所で止まるのか?
答えは
「本当は静岡市内など、お客さんの多い、短い区間でたくさん電車を走らせたいけど、電車の数にそれほど余裕がない。かといって電車を折り返しさせるスペースのある駅が非常に少なく、この2つしか適任の駅がなかった」
ということのようです。
さきほども書いたように
「短い区間で電車を折り返しさせれば、1つの電車でも、都心部などでたくさんの人を運ぶことができる」
興津や島田で折り返すことで、静岡駅付近のお客さんの多い区間での輸送量を確保できるわけですね。
しかし
・熱海のすぐ近くの、三島止まりの電車まである意味がよく分からない
(昔は少なかったのに・・・)
・興津や島田で乗り換えたときに、座席を確保できず立ちっぱなしになることがある
・席を確保できず次の電車に乗ろうとしても、興津や島田駅周辺にはコンビニくらいしかなく、時間を潰せない
こういった事情
早い話が
「18きっぷ旅行者たちの怨念」
により、ある説が流れるようになりました。
それは
「乗り換え回数をわざと増やすことで、乗り換えなしで済む新幹線に乗せようとしてるんじゃないか?」
という説です。
普通の電車よりも新幹線にお客さんを乗せた方がJR東海が儲かるのは事実。
あえて熱海~浜松の直通電車を走らせないことで
新幹線に乗ることを誘導しているのではないか?というのです。
もちろん、とんでもない説です!
僕は、そんなことは思いません!
なぜ、こんな説が流れてしまうのでしょうか?
しかし
説があるのは事実ですから、このブログに記述しておき、未来永劫記録として残しておきたいと思います。
おや?
こんな時間に、誰か来たようだ・・・。
スポンサーリンク
すでに電車は、頑張って長距離を走っている!
以上のように、さまざまな理由により電車の運行区間は区切られます。
長距離を走る電車を走らせることは簡単ではありません。
それでも
東京では
群馬県・栃木県と熱海を結ぶ、走行距離200キロ超えの電車がたくさん走っているし
大阪でも
福井県(敦賀)と兵庫県の岡山との県境近く(相生、播州赤穂)の300キロ近くの距離を結ぶ電車が頑張っています。
これらの電車は
お客さんの少ない区間では、一部の車両を切り離して体を軽くして走って電気代を浮かすなど、涙ぐましい努力で乗り換え無しの長距離移動を支えているのです。
とはいえ。
18きっぷのシーズンだけでもいいから
「東京~大阪を結ぶ普通夜行列車」
なんかが走ってくれれば、もっと嬉しいんだけどなあ(´へ`;)