鉄道トリビア

え!この駅もそうなの?「ターミナル駅」とはどんな意味?語源は?

※神奈川県川崎市にある、知る人ぞ知るターミナル駅「大川駅」。
・・・って、こんな草ボーボーの寂しい駅がターミナル駅なの?!

 

こんにちは。
鉄道で日本を旅するのが大好き
「てりん」と申します。

 

日常会話でもちょくちょく出てくる
「ターミナル駅」という言葉。

「なんとなく・・・大きい駅のこと?を指す?の?」
よく聞く言葉の割には、いまいち意味がよくわからないですね。

 

そこで今回は「ターミナル」という言葉の本来の意味を理解した上で、「ターミナル駅」という言葉がどういう意味なのかを覚えましょうね。

 

・・・と偉そうに言ってますが、一部「こうじゃないかな?」という感じで書いている箇所もあります。
なにしろ、100%間違いない由来というものが無いもので・・・。
ま、気軽な感じで読んでみてね。

本来の「ターミナル駅」はこういう意味

I’ll be back.

ターミナル駅の「ターミナル」には本来「終末」という意味があり、そこから
その路線の終点の駅ということを表しています。

 

なので、いわゆるローカル線の盲腸線(終点で、他の路線とつながっていない路線)の終点も、ターミナル駅と呼んでもおかしくないわけです。

 

※この記事の冒頭に出てきた「大川駅」も、鶴見線という路線の終点なので(厳密には鶴見線の中のひとつ「大川支線」の終点)、立派なターミナル駅なのです。

 

「東京都心から30キロエリア圏にあるターミナル駅」なのに、休日は1日3本しか電車が来ません。そんな「大都会の中の秘境駅」大川駅の詳しいプロフィールはこの記事をごらんください!
>>>東京近郊関東の秘境駅!「海芝浦じゃない方」1日3本JR大川駅の旅

 

 

余談ですが
あの映画「ターミネーター」のターミネーターと語源は同じで、ターミネーターには「終わらせるもの」転じて「相手の息の根を絶つもの」といった意味があります。

 

 

しかし、日常生活では
都会の大きな駅=ターミナル駅というニュアンスで使われることがよくありますね。

 

これはどういうことなのでしょうか?

なぜ「大きな駅=ターミナル駅」に?

大きな駅には「ターミナル」があったりなかったり

先ほども書いたように、ターミナル駅とは、ある路線の終点の駅のことを指します。

 

なので、同じ新宿駅でも、路線として厳密に定義すると
「西武の新宿駅はターミナル駅」
「JRの新宿駅はターミナル駅ではない」
ということになります。

なぜなら
JRの設定上、新宿で終わる路線は存在しないからです。

 

中央線の特急「あずさ・かいじ」の多くが新宿止まりなので、中央線の終点というイメージがありますが、中央線の路線上の終点は東京駅なので、実際は違うのですね。

 

同じように、大阪でいうと

「阪急と阪神の梅田駅はターミナル駅」
「JRの大阪駅はターミナル駅ではない」

ということになります。(注:梅田駅と大阪駅は同じエリアにある)

これは、路線上大阪駅が終点となるJRの路線が無いからです。

(厳密には、大阪環状線の終点が大阪駅とされているので、ターミナル駅と定義することもできますが、山手線のようにグルグル回ってる路線の終点といわれてもあんまりピンと来ないような・・・。)

 

 

・・・みたいな感じで

「とりあえず、大きな駅にはいろんな路線が乗り入れていて、それぞれターミナル駅だったりそうでなかったりすることが多い。だから、大きくていろんな路線が乗り入れてる駅のことを、総じて「ターミナル駅」って呼んだらいいんじゃない?」

ということになったのだと思います。

たぶんね。たぶんよ。

実は今や絶滅危惧種?「大きなターミナル駅」

実際、かつては「大きな駅=終点」という構図は的を得たものでした。

JRでは、西からやってくる長距離列車はほとんどが東京駅止まりだったし
北からやってくる東京行きの列車は、ほとんど全てと言っていいほど上野駅が終着駅でした。

 

しかし、現在は上野駅止まりの列車なんてほとんど無し。
東京駅も、上野東京ラインの開通などですっかり「途中停車駅」が板についてきたようで・・・。

西の一大ターミナル駅・大阪駅も
JRの電車に限っては、大阪駅止まりなんて早朝や深夜にちょこちょこ見かけるくらい。ほとんど「途中停車駅」です。

 

つまり
ますます「大きな駅=ターミナル駅」という意味が薄れてきていて、あいまいな言葉になっているのですね・・・。

それでも「ターミナル」は変わらない(たぶん)

・・・ということで、本来の意味から離れて、もはや和製英語のようになってきた「ターミナル駅」。

 

その一方で、最近は鉄道のアナウンスで英語が流れるのが当たり前になってきて
「we are soon arriving at TOKYO terminal.」(まもなく、終点「東京」です)
という、本来の意味での「ターミナル」を耳にすることも増えてきました。

現代っ子のほうが、ターミナルの正しい意味をきちんと理解できているかもしれませんね。

 

・・・だからといって、今後も「ターミナル駅」という言葉の意味合いは変わることはないでしょうね。

 

あまり意味を厳密に定義するのも考えものなので、「ターミナル駅」はファジーに「大きな駅」と考えておく方が便利だと思います。

 

ファジー。
なんてファジーな言葉なんだろう、ファジー。

 

世の中には「なんとなくこんな意味かな?」
という、ふわふわした言葉があふれているね・・・。
そんなお話でした・・・。

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