きっぷのルール

ポイントをわかりやすく!JR営業キロの意味や調べ方

電車のきっぷ代は、主に移動する距離によって計算されます。
その計算の際に使われる距離が「営業キロ」です。

 

今回は、JRの営業キロの基礎知識・調べ方から
JRがあまり知られたくない?営業キロに関するちょっとしたトリビア。
そして営業キロの仲間たちまで

幅広く解説していきたいと思います!

 

営業キロってどういう意味?何に使うの?

営業キロとは、簡単に言えば
「きっぷの計算に使う、駅と駅の間のレールの距離」
です。

 

たとえば、本州のJRの運賃は

・101キロ以上120キロ以下の距離は1940円

・121キロ以上140キロ以下の距離は2270円

・・・という風に
距離によって段階的に決まっています(運賃は消費税8%時のものです)

この距離として使われるのが、営業キロなのです。

 

営業キロは、きっぷ代の計算だけに使われるのではありません。
主に以下の3つの用途に使われます。

営業キロは、主にこのようなことに使われます

・乗車券運賃や特急券などの料金の計算
(営業キロ以外を使う場合もあり)

・乗車券の有効期間の計算

・おトクなきっぷの利用条件の判定
(たとえばジパング倶楽部は「JR線を営業キロで片道・往復・連続201km以上ご利用になるとき」に割引が使えると規定されているので、その距離の判定に使う)

 

営業キロはどうやって調べるの?

2019年現在
大手の乗り換え案内サイト(ヤフー、ジョルダン)でJRの区間を検索して出てくる距離は営業キロです。
(100%どんなケースでも営業キロが出てくるとは断言できませんが、ほぼ営業キロが出てくるでしょう)

なので
乗り換え案内で検索すれば、営業キロは一発で調べることができます。

 

逆に言うと
「本来は営業キロ以外のキロを使って運賃計算をする区間でも営業キロが表示される」ので、運賃表と照らし合わせるとヘンテコになってしまう場合もあります。

 

※鹿児島~宮崎のローカル線、JR日南線の検索結果。
28.4キロと表示されておりこれは営業キロなのだが、JR九州の運賃表を見ると26~30キロの運賃は560円とあり、検索結果の650円とは合わない。
実はこの区間では「擬制(ぎせい)キロ」という距離が運賃計算に使われ、それが31.2キロなので31~35キロまでの650円になるのだ(時刻表などを見ないと分からない)

 

私鉄や地下鉄などをまたぐルートで検索すると、JR以外の路線も含めた合計の営業キロが表示されるので、注意!

 

営業キロの不都合な?真実

メートル詐称?!新幹線の営業キロ

東海道新幹線の東京~新大阪間の営業キロは、552.6キロです。

これも、乗り換え案内で調べれば一目瞭然!

※ヤフー乗り換え案内より。
上に小さく書かれた距離が営業キロ

 

541キロ以上560キロ以下の運賃は8750円で、実際乗り換え案内の検索結果を見てもその通り表示されています。

 

ところが・・・

実際の東京~新大阪間の
新幹線のレールの距離は・・・

515.4キロ!!

あれっ?

営業キロより短い!!
(実際のレールの距離を「実キロ」といいます)

 

ということは、運賃は
500キロ以上520キロ以下の8210円でないといけないのでは・・・??

 

どうして
多めに計算されて
多めにお金をとられているのぉぉぉ?!( ;∀;)

 

そのワケは・・・

「東海道新幹線の営業キロは、在来線の東海道本線の営業キロと合わせているから」
なのです!

 

「在来線の東海道本線」って何?

「1889年、東海道本線の新橋~神戸間が開通した」
という、日本史の授業でおなじみ?の路線。

現在でも
東京駅~名古屋~大阪~神戸駅を結ぶ、主に通勤電車が走る路線としてそのまま残っています。

 

ですが

・東京~熱海・沼津間は「上野東京ライン」

・大阪~神戸間は「JR神戸線」

など、エリアごとに愛称(あだ名)がつけられており、そちらの呼び方がメインなので、普段東海道本線を意識することはありません・・・。

東海道新幹線は、高度経済成長で輸送量がパンク寸前になった東海道本線のバイパス線として作られました。

 

東京駅から新大阪まで
新幹線を使わずにひたすら在来線(通勤電車)だけを乗り継いでいくと、その距離は552.6キロになります。

新幹線を利用する場合も
きっぷの計算上では、在来線を使った場合と同じにしているわけですね。

 

計算しやすいから、という理由なんでしょうけど

同じにしなくてもいいのにね・・・( ;∀;)

 

このように
実キロよりも長い営業キロで運賃を計算する東海道新幹線。

過去に、この事に怒って「きっぷ代の差額を返せ!」と裁判で訴えたお客さんがいます。

結果は、負け・・・トホホ

皆さんは
同じように訴えたりしないようにしましょうね( ;∀;)

 

ちょっとした工事で運賃が変わる?!

営業キロは、基本的には駅と駅の間のレールの距離をもとに決められます。

なので
ちょっとした駅の移転や工事で距離がズレるだけで、運賃が上がることがあります(もちろん、距離が短くなって下がることもあり)

 

「あれ?消費税が上がったわけでもないのに、きっぷ代が値上がりしてる?!」

 

という怪現象を感じたら
もしかすると、移転などで営業キロが数百メートル変わったことが原因かもしれませんね( *´艸`)

 

※2017年。JR阪和線の東岸和田駅は、高架工事にともない駅が0.1キロズレたため、営業キロが変更となった。(工事前は左右両方の駅から1.5キロずつ離れていたが、0.1キロ大阪寄りにズレた)
これにより大阪方面へのきっぷでは運賃が安くなる区間が発生し、逆に和歌山方面へは運賃が高くなる区間が発生した

 

あつまれ!営業キロのゆかいな仲間たち

JRの路線は
「ローカル線」(地方交通線)と「そうでない、普通の路線」(幹線)
に区別されています。

そのせい?で
営業キロ以外にも「換算キロ」「擬制(ぎせい)キロ」という仲間ができたのです。

いったい、どんな奴らなんでしょうか??

 

彼らに関しては
この2つの違いが分かりにくいので、別の記事にて解説をしています。

興味がある方は
コチラの記事をのぞいてみてくださいね!
>>>ポイントをわかりやすく!擬制キロと換算キロの違いや意味とは?

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です