(この記事のきっぷ代は、全て消費税10%時の金額で記載しています)
「新幹線で青森に行こうと思うけど、金券ショップで売ってる株主優待券を買って使うのと、ネット割引できっぷを買うのとどっちが得なんだろう?」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
JR東日本の新幹線・特急のネット割引といえば
「お先にトクだ値」「トクだ値」。
これらを利用してきっぷを買うのと
金券ショップやネットオークションなどで株主優待券(以下、本文中では「優待券」)を買ってきっぷを手配するのとでは、どっちのほうがトクなんでしょう?
「結論(まとめ)」
「お先にトクだ値と優待券の概要・使い方」
「具体的な比較(東京~新青森/秋田間)」
の順で、ご紹介していきます!!
もくじ
ズバリ「お先にトクだ値」「株主優待券」どっちが得?
さっそく、結論から。
・金券ショップで優待券を買うくらいなら、ほとんどの場合「お先にトクだ値の方」がお得
・乗車予定日が13日を切っていて「お先にトクだ値」が使えない(普通の「トクだ値」しか使えない)には、優待券の方が有利な場合もよくある
・乗車日当日にきっぷを買う場合やトクだ値用の席が売り切れなどでトクだ値すらも使えない場合は、片道500キロ以上の長距離なら、まず優待券を買うべき!!(1年365日いつでも利用可能)
お先にトクだ値と優待券の内容を見ながら、詳しく解説していきます。
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「トクだ値」「株主優待券」の概要
「お先にトクだ値」「トクだ値」の概要
トクだ値には
「お先にトクだ値」と「トクだ値」の二種類があります。
・お先にトクだ値
JR東日本の新幹線、特急の特定の区間を、乗車日の13日前の午前1時40分までに申し込むと、区間、列車によって25・30・35%の割引を受けることができる。
いわゆる「早割」。
さらに、期間限定でもっと割引率が高くなる「お先にトクだ値スペシャル」などがある。(半額になることも!!)
・トクだ値
乗車日当日の午前1時40分まで(乗車日前日の寝る前まで、というイメージ)までに申し込むと、区間、列車によって5~10%前後の割引を受けることができる。
どちらのトクだ値も、発売される座席数には限りがあります。
また、「お先にトクだ値」は、大型連休の時期には発売されませんが
「トクだ値」は年中発売されています。
JR東日本株主優待券の概要
優待券1枚につき、JR東日本エリア内の片道あたりの運賃・料金が2割引になります。
一度に優待券を2枚まで使えるので、最高4割引で利用することができます。
グリーン料金も最大4割引になりますが、グランクラス料金は特急料金も含め一切割引になりません(乗車券のみ割引)
・1枚で片道2割引なので、往復で4割引にしたい場合は、優待券は合計で4枚必要です。
・JR東日本の優待券なので、それ以外のJRをまたぐ場合には利用できません。
以下の路線は、勘違いされやすいけどJR東日本エリアではありません!!
・東海道新幹線の東京~熱海間
(JR東海エリア。在来線の東京~熱海間は東日本なので利用可能)
・北陸新幹線の上越妙高~金沢間(JR西日本エリア)
・北海道新幹線の奥津軽いまべつ~新函館北斗間(JR北海道エリア)
東日本エリアを越える区間のきっぷは、優待券で買うとほとんどの場合損しますので、トクだ値など他の割引を利用しましょう!!
割引の計算は
「乗車券」「特急券」ごとに、以下のように計算します。
(グリーン車の場合は「乗車券」「特急券+グリーン券」ごとに計算)
定価の値段に
2割引なら0.8を、4割引なら0.6を掛け算する。
計算した金額の1の位が0以外の数字なら、0にする
(いわゆる「は数の切捨て」。四捨五入ではありません!)
この後の具体例の計算もあわせてご覧ください!
具体的に比較してみよう!
「具体的に、どれがどれくらいお得なの?」
ここでは、代表的な
「東京~新青森間(「はやぶさ」普通車指定席)」
「東京~秋田(「こまち」普通車指定席)」
の2つの区間を
「お先にトクだ値を利用した場合」
「トクだ値を利用した場合」
「優待券を金券ショップで1枚2000円(2枚で4000円)で購入して、4割引できっぷを買った場合」
この3つで比較します。
以上に加えて
参考までに「モバトク」(モバイルsuicaの会員が利用できる早割)のきっぷ代も表記しておきます。
「お先にトクだ値」「トクだ値」「モバトク」の値段は運賃改定に関係なく変わる場合があるので、きっぷを買う前に必ず一度公式サイトで最新の金額を確認してください!
東京~新青森間(東北新幹線)の場合
・定価の片道:17670円
(乗車券:10340円+特急券7330円)
・お先にトクだ値を利用: 13240円
・トクだ値を利用: 16780円
・モバトク:15710円
・優待券を使用: 14590円
優待券の計算式
乗車券:10340×0.6= 6204円
1の位は切捨てで 6200円
特急券:7330×0.6=4398円
1の位は切捨てで 4390円
6200円+4390円+4000円=14590円
「お先にトクだ値」がもっとも安く
次に「優待券割引」「モバトク」「トクだ値」と続きます。
これらは、あくまで東京23区内の駅~新青森駅のきっぷです。
そのため、青森駅を利用する場合には新青森駅~青森駅間のきっぷ(往復380円)が別に必要です。
ただし、優待券の場合は東京~青森間のきっぷを買っても上記と値段が変わらないので、青森駅まで行く予定のある方は、必ず青森駅までの通しのきっぷを買いましょう!
東京~秋田間(秋田新幹線)の場合
・定価の片道:18120円
(乗車券:10010円+特急券8110円)
・お先にトクだ値35を利用: 11760円
お先にトクだ値30を利用: 12670円
・トクだ値15を利用: 15380円
トクだ値10を利用: 16290円
・モバトク:15820円
・優待券を使用: 14860円
優待券の計算式
乗車券:10010×0.6= 6006円
1の位は切捨てで 6000円
特急券:8110×0.6=4866円
1の位は切捨てで 4860円
6000円+4860円+4000円=14860円
東京~新青森と同じく
「お先にトクだ値」がもっとも安く
次に「優待券割引」「モバトク」「トクだ値」と続きます。
「こまち」の場合
「(お先に)トクだ値」は、列車によって割引率が変わります。
短い距離では、「トクだ値」などの利用が最優先!
具体例の結果をまとめると
・基本的には、乗車13日前までに「お先にトクだ値」で予約するのが圧倒的に得!!
・お先にトクだ値が使えない場合には、トクだ値よりも優待券の方が良い場合が多い!
ただし
距離が短い区間では、優待券よりもトクだ値の方が安くなることがあります。
これは
「距離が短い区間でも、優待券の購入コストは変わらない(金券ショップで買う値段は変わらない)ので、距離が短い区間ほど、優待券のコストが重くのしかかって割引効果が薄れる」
ことが理由です。
優待券を買って割引を受ける距離の目安は、片道500キロまで。
それ以下の区間(東京~仙台間など)では、優待券は最初から選択から外しておきましょう。