きっぷのルール

代行輸送をはさむ場合のJR特急きっぷ代の払い戻しの仕組みとは?

くろしお

近年の異常気象によって

「狭いエリアで、わずかな時間にゲリラ豪雨で大量の雨が降る」

ニュースをよく目にするようになりました。

 

これにより
今後はこんな事が以前より増えると思われます。

 

「特急に乗ったはいいけれど、途中の駅で豪雨に見舞われて運転見合わせ。
もう少し先まで行けば普通に列車が走ってるのに・・・( ;∀;)」

 

ごく一部の、狭いエリアの区間だけが運転見合わせになり

あえなく、不通区間をバスやタクシーで移動する・・・。

これを「代行輸送」と呼びます。

 

※「代行輸送」。JRが手配するのでタクシー代などを払う必要は無し

 

当然、目的地への到着時刻も大幅に遅れます。

 

こんな時、ふと気になるのは

「遅れた分、きっぷ代は払い戻し(返金)されるんだろうか?」

ということ。

 

実は
代行輸送を挟むと、その返金の仕組みはちょっとややこしくなります。

 

今回は
僕が実際に旅行先で豪雨に見舞われて代行輸送を受けた経験をもとに、その仕組みを解説していきたいと思います。

 

この記事は、3つの段落に分かれており

1.結論(払い戻しがどのようにされるのか)

2.JRきっぷの基本ルール

3.詳しい解説(体験談)

この順に構成されています。

 

きっぷの基本ルールを知らない方は、2→3の順に(1は「まとめ」になっています)

 

ルールに詳しい方は
1だけを読んでください。

まず1を見て、納得がいかなければ3を読んでみてくださいね。

 

もくじの段落をクリックすると、その段落のトップに飛びますよ!

 

おトクなきっぷや、旅行会社のプランなどで移動する場合は、ルールが異なる場合があります。

あくまで
普通に自販機やみどりの窓口で買ったきっぷに適用されるルールですので

ご了承くださいね!

 

代行輸送をはさむ移動の、きっぷの払い戻しはこうなる!

特急に乗り途中で運転見合わせとなり

バスやタクシーなどの代行輸送を間に挟み、再び特急に乗って移動する場合

その特急料金は

 

・運転見合わせになった特急の料金は、全額払い戻し

・代行輸送で移動した後に乗る特急の料金は、通常どおり支払う
(結果的に、当初の予定より2時間以上遅れて目的地に着く見込みの場合でも)

 

いっぽう

乗車券運賃は
遅れの程度に関係なく目的地まで行くことができれば、一切払い戻しは無し
(代行輸送の区間は、普通列車で移動したのと同じ扱いになる)

 

以上です。

ご納得いただけたでしょうか?

 

「目的地に着くのが2時間以上遅れたら、特急料金は全額払い戻しじゃないの?
どうして代行輸送後の特急料金を払わないといけないの?」

と、思う方がいるかもしれません
(つい最近までの僕がそうでした)

 

このあたりが納得できない方は
3段落目の体験談を読んでみてくださいね( *´艸`)

JRきっぷの基本ルール

この段落では

きっぷの基本ルールをさくっとまとめています。

 

東海道新幹線新幹線やJRの特急に乗るには
「乗車券」「特急券」
2種類のきっぷが必要です。

 

・乗車券とは?

お客さんを、目的地の駅まで無事に運ぶことを約束するきっぷ。

特急に乗ろうが、各駅停車でのんびり進もうが、絶対に必要。

何時間遅れようと、目的地にさえ着けば、払い戻しは一切ない
(無事に目的地に着いた時点で、その役目を果たしたことになるので)

 

・特急券とは?

特急や新幹線に乗る区間の分だけ、乗車券に上乗せして買うきっぷ。

各駅停車や快速よりも短い時間で目的地に着くことができるサービスに対してお金を払う。

そのため、大幅に到着が遅れると意味がない。

2時間以上到着が遅れると、特急券は全額払い戻しとなる。

 

これだけ押さえておけば大丈夫!

 

※ヤフー乗換え案内より。
赤い○で囲んだのが乗車券の値段。
青い○で囲んだ自由席(や、指定席)とかかれたものは特急券の値段

 

グリーン車に乗るのに必要なグリーン券は、特急券と一体となって発売されます。

払い戻しのルールも、特急券に従います!

 

体験談~わたしが特急料金を払ったワケ~

くろしお※新宮~和歌山~新大阪(京都)を結ぶ特急「くろしお」。
写真は白浜のパンダを模したデザインの車両

 

2019年の秋。

僕は、和歌山県南部の新宮(しんぐう)という町に観光に行きました。

 

一泊した次の日、特急に乗り新宮から大阪方面へ帰ろうと思ったのですが

とんでもない大雨に見舞われて、大変なことに・・・( ;∀;)

 

※新宮~白浜~和歌山のルート図。

 

以下、その経過です。

 

経過報告

 

2019年10月18日。

新宮駅から、新大阪行き「くろしお20号」(10時28分発)に乗車。

2号車の自由席に座る。

目的地は和歌山市のちょっと南にある、海南駅。
(到着予定時刻は13時39分)

 

11時半ごろ

古座駅の手前、紀伊田原駅のホームで停車。

古座駅付近で、1時間に80ミリを超える雨が降り先へ進めないとのアナウンス。

 

12時過ぎ

白浜駅まで、タクシーによる代行輸送を行うとのアナウンス
(グリーン車の1号車のお客さんから、順次タクシーへ案内)

白浜駅からは、大阪方面へ「くろしお」がほぼ定刻どおり走っているとの情報。

 

※普段は各駅停車しか停まらない、紀伊田原駅で特急電車から下りる。

 

12時20分ごろ

2号車に乗っていた乗客がタクシーに案内される。
タクシーで白浜駅へ移動。

 

※紀伊田原駅前に待機中の代行タクシー

 

14時前

白浜駅到着。

この時点で一番早く乗れるのは、14時24分発のくろしお24号。

これに乗ると、海南駅到着は15時41分。

当初の、20号の海南駅到着時刻(13時39分)よりも2時間オーバーとなる。

駅の改札付近にて
駅員さんに、新宮から海南までの自由席特急券(1760円)を渡す。

駅員さんから
白浜から海南までの自由席特急券(990円)と、差額の現金(770円)を渡される。

 

経過報告おわり

 

特急券の払い戻しのルールについて、以下のものがあります。

 

特急・急行列車が、到着時刻より2時間以上遅れた場合は、特急・急行料金の全額をお返しします。

※JR西日本おでかけネットより

 

有名なルールなので
他のサイトで見たことある!という人も多いでしょう。

 

このルールを根拠に
僕は、特急券の扱いは以下のようになると思っていました。

 

・今持っている特急券(新宮→海南)をそのまま使って、白浜駅から海南駅まで「くろしお24号」に乗る
・本来の到着時刻より2時間過ぎているので、海南駅の窓口で全額払い戻しをしてもらう

 

つまり

「せっかく新宮から特急に乗ったのに、最終的に2時間以上遅れて海南に到着してしまった。だから、海南駅で特急券を全額払い戻ししてもらえる!」

と、思い込んでいたのです・・・。

 

しかし、実際には

白浜から海南までの特急料金を支払って乗ることに・・・。

どうして?( ; ゚Д゚)

 

「2時間以上~」のルールは

ある特急列車(新幹線含む)が
予定時刻よりも2時間以上遅れて目的地に着いた場合に適用されるルールです。

「特急に乗ったのに、代行輸送などで結果的に2時間以上遅れて目的地に着いた」

からといって、適用されるルールではないのです!!

 

もし
新宮発の「くろしお20号」が2時間以上遅れて海南に着いていたら、特急料金は全額払い戻しになっていたのに・・・。

 

今回登場した二つの特急がどうなったのかを、今一度振りかえってみましょう。

 

・新宮発「くろしお20号」
途中で止まってしまった
→遅れのルールは関係なし

・白浜発「くろしお24号」
定刻通り運行、遅れ無し
(混乱で多少遅れたかもしれないが、2時間も遅れてない)

 

なんと!

今回のドタバタには

「2時間以上遅れた列車」はひとつも登場しないのです!!((( ;゚Д゚)))

 

途中で運転が止まってしまった場合の特急券の払い戻しは、以下のように規定されています。

 

乗車中の特急列車が目的地までの途中駅で運転をとりやめた場合は、後続の特急・急行列車(運転をとりやめた列車が急行列車の場合は急行列車)にご乗車になれます。この場合、運転をとりやめた列車の特急・急行料金は全額お返しします。

※JR西日本おでかけネットより

 

これも、あくまでも
途中で止まった列車(くろしお20号)に関してのみのルールなので

定刻通り動いている
白浜発の「くろしお24号」には何の関係もありません。

 

よって
各列車の特急料金は、こうなります。

 

・新宮発「くろしお20号」
→途中で止まったので全額払い戻し

・白浜発「くろしお24号」
→普通に特急料金を払って乗る

 

白浜駅の駅員さんの行動は
この2つの手続きを、簡易的に行った結果なのですね。

 

以上をまとめると
第一段落の結論部分の通りになります。

 

さいごに

これらの変更・払い戻しの手続き自体は
申し出れば駅員さんがやってくれるので、困ることはありません。

 

ただ
「え、遅れてるのになんでこんなにお金を払わないといけないの?」
という気持ちになってしまうと、精神衛生上良くないので

払い戻しの仕組みを知っておいたほうが
納得できて気持ちがいいよね・・・?

というのが、今回の記事の主旨です。

 

しかし、実際に体験してしみじみ思うのは

「災害で動けないところを、タクシーを手配してまで運んでくれるJRさん、マジ紳士」

ということ。

感謝の気持ちが一番大きいですね。

 

余談ですが
代行輸送の移動中も、タクシーのメーターは回ってます。

 

紀伊田原から白浜まで、およそ80キロ。

送迎の距離も含め、白浜駅到着時点でのメーターは27880円になってました・・・(((( ;゚Д゚)))

 

こんな金額、初めてみた・・・(((( ;゚Д゚)))

 

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