コラム

「さよなら国鉄」テレビ番組の、個人的神回の話

先日、Tverで
『神回だけ見せます!』
という、日テレの番組が配信されてました。

これは
過去の日テレで放送された「神回」だけをセレクションして放送します、というもので

出川さんのアナザースカイや
アナウンサーがレスラーに襲撃されるという、衝撃的なプロレス中継など
まさに神回揃いの番組だったんですが

その中で異色だったのが
『さよなら国鉄スペシャル』

 

生放送で、東京駅のホームで鉄道唱歌全262番を生演奏で歌ったり
梅小路にある機関車の汽笛を使って「蛍の光」を演奏するなど
かなりぶっ飛んだ内容で、今見てもとても面白いのですが

この日テレ以外にも
フジテレビやTBSも国鉄特番を制作していて、まあこれが某動画サイトで見れることがあるわけですよ(公式がアップしてるというわけでは・・・ゴニョゴニョ)

 

そのさよなら特番の中で僕が一番好きなのが
TBSの
『報道スペシャル列島生中継国鉄最後の夜』
というやつの

作家の開高健先生と、写真家の立木義浩さんが
上野発の夜行急行「津軽」に乗って、車内で生中継でいろいろおしゃべりするという企画。

 

※夜行急行(イメージ)

特に台本があるわけでもなさそうで
内容は報道番組とは思えないお下品なものも飛び出す始末。

 

その中で、開高先生が
「人間大学」と称して
「人間とは何なのか?」という話(講義)を始めました。

 

人間とはなんぞや?

いろいろな議論があるけども
人間の本質のひとつ(動物と違う点)は、動く・移動することである。ここに特徴がある。
しかも、その移動の範囲が動物に比べて非常に広い。
これを「ホモ・モーベンス」という。※1

すなわち、旅行とは人間の本質である。
とにかく、動くこと。
充実した(発展を遂げた)国の国民というのはよく旅行する。※2
日本もその例やな。

※1.人間の特徴が何か?その定義により、名前が変わるそうです。
たとえば、人間の最大の特徴が「頭を使う」ことであるならば「ホモ・サピエンス」
「道具を使う」ことであるならば、「ホモ・ファーベル」と呼ぶそうです

※2.旅行するという本能が人間にはあるが、発展途上の国ではそんなことをする余裕が無い。よって、充実した国は旅行する人が多いのである。(という意味だと思います)

 

TBSのさよなら国鉄番組は
「報道部が制作したから内容が地味」
という声もあるみたいですが

開高先生のお言葉を拾ったTBSが、個人的には一番の傑作を作ったのではないか?と思っています(確かに他の企画は地味というか、他社が派手すぎたというか・・・)

 

「国民の多くが旅行できる」
そんな先進国日本で、あり続けてほしいものです。

 

ちなみに、開高先生が
「一番旅情があるのが船で、その次が夜汽車。飛行機・空港は旅情がない」
と言っていたのが妙に心に残っていて

今でも
『一番素晴らしい旅行の乗り物は、船である』
という、刷り込みが自分の中にあります・・・
(確かに、旅情の一点でいえば一番素晴らしいかも)

 

「飛行機は旅情が無い」
と言い切ってしまうところが、魅力なんだろうなあ、きっと・・・

(そういう人は減ってしまったね・・・)

 

 

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