今回は、東京観光の強い味方
「都区内パス」のお話です。
山手線をはじめとする、東京23区内のJR線に乗り放題の素敵なきっぷ!
基本の使い方はもちろん
「子供は何歳からパスが必要?」
「どこで買えるの?」
「フリーパスの乗り越しで安く移動する方法」
とあっと驚く意外な使い方まで書いていきます。
もくじ
都区内パスの基礎知識
都区内パスの値段は?子供は何歳まで無料?
都区内パスのお値段は
大人760円
子供380円
です。
ここでいう大人は「中学生以上」
子供は原則として「小学生」です。
乳幼児(小学校入学前日まで)は原則無料です。(フリーパス不要)
「原則」という言葉がひっかかるという人も多いと思いますので、子供の考え方を書いておきます。(乳幼児と一緒におでかけしない人は飛ばしてください)
乳幼児に関しては
「保護者1人に対して幼児2人まできっぷ代が無料」
注:ここでいう保護者とは、きっぷを買う人を意味するので、小学生でも可。
乳児(1歳未満)は何人いても全員無料
「幼児だけで旅行する場合には、各自子供用のきっぷが必要」
「新幹線・特急の指定席(グリーン車含む)を乳幼児1人で使う場合には、子供用のきっぷが必要」(膝の上に乗せる・または自由席であれば問題なし)
というルールがあるので
これらをもとに、都区内パスが必要か不要か判断します。
たいていの場合
「保護者同伴で旅行する場合は、乳幼児はきっぷ不要」
というケースがあてはまるでしょう。
※東京近郊を走る、快速の2階建てのグリーン車。
このグリーン車は自由席なので、乳幼児が1人で座ってもきっぷは不要。
ただし混雑時などはマナーを守りましょう
詳しくは、この記事も参照ください!
>>>何歳から有料?電車や新幹線などJR子供料金の仕組みと注意点
都区内パスはどこで買えるの?
「フリーエリア内のJR東日本の主な駅の指定席券売機、みどりの窓口、びゅうプラザ、提携販売センター、JR EAST Travel Service Center及び主な旅行会社など」
で買うことができます。
フリーエリア内(都区内)=東京23区内のことですね。
ですので、あらかじめ23区外の駅や旅行会社などで購入することはできません。
券売機の種類により買える方法は違いますが、
現金でもICカードの残高でも買えるし、クレジットカードでも買えます。
券売機で買うときは
“おトクなきっぷ”というところを検索すれば、購入できますよ。
都区内パスを搭載可能なsuicaは?
都区内パスを搭載(インストール)できるsuicaは、以下の4種類です。
(ICOCAなど、他のICカードは不可)
・My Suica(記名式)
・Suicaカード
・Welcome Suica
・定期券情報が搭載可能なSuica付きビューカードおよびSuica付学生証等
※有効な定期券情報が搭載されている場合を除く。
「定期券として使われているsuicaは使えない」
というのが、一つのポイントです。
「すでに表面に、定期券に関する情報が印字されているので、都区内パスの情報を印字するスペースが無い」
という、シンプルな理由だと思われます。
都区内パスのエリア範囲は?
この図の範囲内です。
もちろん、どれも東京23区内にある駅です。
ここからはみ出した場合は
このエリアの一番端の駅から、降りる駅までの区間の運賃を払って乗り越し精算をします(詳細は後述)
使い方は?どんな列車に乗っていいの?
使い方は
改札に都区内パスのきっぷを入れて、出る時にまた改札に通すだけ。
出る時もきっぷが出てきますから、取り忘れないように気をつけて。
つまり、定期券と同じ使い方ですね。
suica都区内パスは、改札の出入りの際にタッチするだけ。
とってもカンタンですね。
都区内パスで乗車可能な列車は以下の通り。
・各駅停車
・快速と名前のつく列車
(快速アクティー、快速ラビット等。青梅特快、中央特快の”特快”は”特別快速”の略。つまり乗ってOK)
この2点を押さえておけば大丈夫。
都区内パスを利用する場合、乗るのはたいていこのどっちかだけです。
特急や新幹線に対しては、乗車券としての効果はあるので、特急料金を追加すれば乗ることができます。
東京モノレールや、りんかい線の大崎から先、お台場方面も範囲外です。
(大崎のひとつ先の大井町も、JRの駅でもありますがあくまでもりんかい線の路線です。つまり大崎駅からの乗り越し精算が必要です!)
都区内パスの意外な使い方(応用編)
都区内パスの本来の使い方は
もちろん、エリアの中を何度も乗り降りすること。
しかし、もうひとつの使い方として
「エリアの外へ、安く行くために使う」という方法があります。
具体例で説明しますね。
在来線の乗り越しでエリア外もオトクに!
最初の例として
「エリア内の西荻窪駅から、ディズニーランドの最寄り駅舞浜駅へ旅行する場合」を考えます。
西荻窪は杉並区の端っこ、吉祥寺の近くですね。
都区内パスのギリギリ西のエリアです。
まず、普通に西荻窪~舞浜のきっぷを買うと
片道が561円で、往復1122円
(ICの場合。紙のきっぷだと片道570円)
西荻窪は都区内パスのエリア内です。
そこで、西荻窪駅で都区内パスを購入し、舞浜まで行くとどうなるか?
もう一度、都区内パスのエリアの表を見てみましょう。
一番右下に「葛西臨海公園」という駅名が書いてあるのが見えますか?
ここは、京葉線の舞浜のひとつ手前(東京寄り)の駅なのです。
この駅までは都区内パスで行ける、ということになります。
つまり
あと足りないのは
「葛西臨海公園から舞浜までの一駅分のきっぷ」
このきっぷの値段を、舞浜駅で降りるときに乗り越し精算すれば良いのです。
一駅分だから、初乗り運賃の140円ですね。
つまり、都区内パス+140円の精算で舞浜駅まで行けるわけです。
帰りも同じ。
舞浜駅から葛西臨海公園駅までの一駅分のきっぷを買って、葛西臨海公園からのきっぷは都区内パスが有効ですので、追加で買わなくてOK。(この方法を使う場合は、ICカードは使わず紙のきっぷを買いましょう)
すると、払うきっぷ代の総額は
・舞浜⇄葛西臨海公園
往復のきっぷ代 280円
・都区内パス 760円
合計 1040円
ということで
ICの定価1122円よりも80円近く安くなります!!
なお
東京の場合は私鉄が結構安いので、私鉄と競合する区間では安くなるパターンは少なくなります。
私鉄や地下鉄が一切通ってない駅同士を移動する場合に、有利になることが多いようです。
suica都区内パスは
上記のような乗り越し精算を自動的に行ってくれるので、超便利です!
乗り越し精算の金額は、ちゃんとIC運賃で引き落としされます!
(葛西臨海公園~舞浜の乗り越しの場合は136円が引き落としされる)
先ほどは、出発駅がエリア内でしたが
なんなら「出発駅と目的地の駅がともにエリア外で、都区内パスを間にはさむパターン」だってできちゃいます。
ここでは、埼玉県の浦和駅と横浜駅を往復する場合で考えてみます。
※浦和~横浜の片道はIC利用で935円(紙のきっぷは940円)
往復で1870円が、JRのみを利用する場合の最安値になります。
これを、以下のきっぷの組み合わせで移動します。
・浦和~赤羽
片道220円 往復440円
・赤羽~蒲田
760円(フリーエリア)
・蒲田~横浜
片道220円 往復440円
往復運賃の合計:1640円
なんと!
230円安くなっちゃいました!
この方法を行う場合には、以下の手順でやるとスムーズです。
(浦和駅発の場合)
1.浦和駅で220円のきっぷを買う
2.赤羽駅で下車し、都区内パスと赤羽駅から220円区間のきっぷを買う(帰りに使用)
3.都区内パスで横浜駅まで向かう。横浜駅で蒲田駅からの乗り越し運賃220円を精算する
4.横浜駅で220円区間のきっぷを買う
5.「横浜から220円区間のきっぷ」「都区内パス」「赤羽駅から220円区間のきっぷ」を同時に自動改札機に通す(エラーが出た場合は駅員さんに見せて通る)
一度赤羽駅で降りる必要があるなど、手間はかかりますが
案外切符代が浮くので、結構やりがいがあるんじゃないでしょうか。
新幹線だってお得に乗れちゃう!
都区内パスは「特急券を追加で購入すれば、新幹線・特急にも乗れる」という特徴を持っています。
それを応用し、都区内パスで新幹線を利用する際にちょっとお得になる方法をご紹介します。
今回は「群馬県の高崎駅から上越新幹線で東京へ向かう場合」を例にご紹介します。
なお「東京では観光のために都区内パスを使う」という前提です。
上越新幹線の自由席を利用した場合の片道のきっぷ代は4490円。(北陸新幹線の自由席でも同じ)
往復で8980円になります。
これに観光用の都区内パス760円を足すと、きっぷ代は9740円になります。
都区内パスは、北は赤羽駅から有効です。
そこで、高崎から東京ではなく、高崎から赤羽までのきっぷを買うと
乗車券は片道1690円(往復3380円)となります。
・高崎~赤羽間 乗車券3380円(往復)
・赤羽~東京間 都区内パス760円
・高崎~東京間 特急券往復5020円
という組み合わせでも高崎~東京間を通しで新幹線に乗ることが可能なので、合計の切符代は9160円で済みます(580円浮く)
でも
群馬在住の人が東京へ向かう場合、新幹線に乗る前に手元に都区内パスを用意できないですよね?(高崎では都区内パスを売っていない)
そこで「行きは大宮駅で降りて、快速に乗り換えて都区内パスが売っている赤羽駅まで行く」という方法をとりましょう。
すると
行きの新幹線は高崎~大宮間しか乗らないことになるため、特急券も区間が短くなり安くなります。
高崎~大宮の特急券は、自由席で1870円。
なんと!高崎~東京の2510円より640円安い!
しかも、大宮~東京間は騒音の問題などがあり、新幹線の割にはかなりスローなペースで走行するので、所要時間は在来線の快速などとそれほど大きな差は出ないのです。
大宮で下車して赤羽で都区内パスを買い、帰りは東京駅から新幹線に乗る・・・という方法をとれば
・高崎~赤羽間 乗車券3380円(往復)
・赤羽~東京間 都区内パス760円
・高崎→大宮間 特急券1870円
・東京→高崎間 特急券2510円
合計 8520円
「だったら、もう帰りも大宮から乗ればいいや!」
そうすれば、合計はさらに安くなり7880円まで下がります。
最初の9750円と比べると、なんと1870円も安くなっちゃいました!
東京駅でなく上野駅発着にすると、特急料金は210円安くなります。
これは高崎に限らず、JR東日本の新幹線のどの駅からでも同じことですよ!
ちなみに土日祝日に新幹線を利用する場合は
こっちのパスの方がお得になる場合が多いです。
>>>「休日おでかけパス」JR東日本フリーパスの範囲や使い方・乗り越し