きっぷのルール

気づかぬ内に不正乗車!折り返し乗車とは何が悪いのか?

人生という旅は
後ろを振り返ったり、元に居たところに戻ったり・・・。
前に進まないこともあるけれど
老いも若きも男も女も、鉄道はまっすぐ前に進みましょう。

 

こんにちは。
鉄道で日本を旅するのが大好き
「てりん」と申します。

 

今日(2017年5月19日)
ヤフーのニュースを眺めていたら
「横浜のみなとみらい線が折り返し乗車を厳しく取り締まる」
というニュースが目に入りました。

 

「ふーん・・・横浜のニュースか・・・」

 

なんて、他人事のように思っているそこのアナタ!

 

折り返し乗車という問題は、日本の全ての鉄道路線で起こりうることなのです!

 

そもそも、折り返し乗車って何なのか?
そして、何故それがいけないのか?
この辺を解説していきますね!

 

「折り返し乗車」とは何か?何がいけないの?

私たちが普段使うきっぷは「片道」きっぷ

普段、私たちが日常の買い物や通勤通学で使う、いわゆる「ふつうのきっぷ」や定期券。

 

※いわゆる「ふつうのきっぷ」

特に「往復」などの記載がない限り
私たちが日常生活で使うきっぷのほとんどは「片道きっぷ」です。
ただ、それが当たり前すぎるので、きっぷや定期券には「片道」と書かれていることは稀ですが・・・。

 

ICカード乗車券(定期券)も、ルール上は片道きっぷのように使いますよ!

 

ところで「片道」ってどういう意味なんでしょうか?

結構奥深いのですが、ここでは簡単にまとめると
「出発する駅から、最終目的地の駅まで、同じ駅を2度通らない(=同じルートを2度通らない)きっぷ」という意味になります。関連記事:君は片道切符の「片道」の本当の意味を知っているか?!

 

「2度同じ駅を通らない」ということは
「今まで通ってきた道を引き返したりしない」と言い換えることができますね。

たとえば、大阪から東京に向かう片道きっぷを買ったなら、一度改札を通ったが最後、東京方面に進み続けなければいけません。
静岡までやってきた時点で、いきなり名古屋に引き返したりしてはいけないのです。

 

「折り返し乗車」というのは
この片道きっぷの大原則を思いっきり破り、2度同じルート(駅)を通って移動することをいいます。

みなとみらい線が特に炎上する理由

「逆走して座席を確保」が問題

今回話題にのぼったみなとみらい線の無賃乗車は、主に

「横浜駅から、みなとみらい線と乗り入れている東急東横線に乗って渋谷方面に向かう時に、混雑で座れる可能性の低い横浜駅から乗るのではなく、一旦逆方向の電車に乗った後に同じホームに上下線が止まり、乗り換えに便利な「みなとみらい駅」で降りて、空席を確保。
みなとみらい駅から再び横浜駅を通過して渋谷方面に向かう」

というのが問題視されています。

 

 

路線図。
①のように、横浜駅から渋谷方面行きに乗り真っ直ぐ行くのが正しい。
②のように逆方向のみなとみらい駅から折り返して乗るのは不正乗車

 

この場合

横浜駅から渋谷方面の駅までのきっぷ代とは別に
「横浜駅からみなとみらい駅までの逆方向へ進んだ分のきっぷ代180円」

そして

「みなとみらい駅から横浜駅まで乗った分のきっぷ代180円」

つまり、往復の360円を払わないといけません。

ほぼ100%座れる、終点の元町・中華街駅まで折り返しをした場合は、横浜駅からの往復420円を払わないといけません。

 

座席を確保するためだけに、目的地とは逆方向の空いている駅まで向かい、そこから電車に乗り座席を確保することは、その区間をタダ乗りすることになり、そのままスルーしたら犯罪ということになります。

全く儲からない「みなとみらい線」

今回特にこのみなとみらい線が話題になっているのは
これがもし仮に渋谷~みなとみらいの全区間が東急東横線だとしたら
「同じ東急という会社の中で、一部区間でタダ乗りが横行している」ということになり、まだ比較的問題は少ないのですが・・・。

今回の場合「みなとみらい線」の区間を運行している「横浜高速鉄道」という会社に一銭もお金が入らない、ということで余計に炎上しやすくなっているためなのです。

そりゃ怒るわ。
「東急の客が、座席を確保するためだけに自分の会社の路線をタダ乗りしている」っていう話しだものね。

全国の鉄道路線で起こっている問題

全国の鉄道でも、折り返し乗車がルール違反なのは同じこと。
みなとみらい線は関東ですが、関西でも折り返し乗車は問題視されています。

 

関西での折り返し乗車のメッカ?
となってしまっているところといえば、阪急電車の
「十三(じゅうそう)〜梅田」間。

 

※阪急電車の路線図。梅田は大阪市の中心的な駅

 

例えば、阪急宝塚線(オレンジの路線)で北から来た人が梅田まで向かい、始発駅である梅田で神戸線(青い路線)や京都線(緑の路線)の電車に乗り換える場合。

これは、十三〜梅田を2度通ることになるので、アウト!です。
十三駅で乗り換えるのが正しい乗り方になります。

このことは、駅にも注意を促すポスターが貼ってあります。
とはいえ、悪いことだと自覚してやっている人は少ないかもしれませんね・・・。

 

これはマナーの問題ではなく、立派なルール違反です。
いわゆる「不正乗車」ですから、ぜったいにやめましょうね!

関連記事

「不正乗車」の代名詞「キセル乗車」
こちらはいったい何がわるいのか?その意味と語源を解説
>>>9割の人が勘違い?電車のキセル乗車とは何?仕組みや語源は?

奥深い「片道」の意味。
往復で旅行するよりも、片道の方がぐっとお得に旅行ができる?!
>>>君は片道切符の「片道」の本当の意味を知っているか?!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です