今回は
「JRの初乗り運賃だけで何百キロも鉄道の旅ができる」という
なんだかうさんくさい?テクニック
「大回り乗車」についてのお話です。
「何でこんな事が許されるの?」
「どんな準備をしておけばいい?」
「名古屋ではできないのはナゼ?」
・・・こんな疑問にお答えする内容になっております。
特に「なぜこんなことが許されるのか」は、精神衛生上(?)知っておくと良いのではないでしょうか。
最後に「そもそもなんでこんな旅ができるのか?」を解説しているので
最後まで読むと理解が深まりますよ!
もくじ
大回り乗車って何?
ルールの前に、まずは
超ザックリとした説明から。
大回り乗車とは
「JR線の特定のエリア内(大都市近郊区間といいます。のちほど紹介)を、初乗り運賃のきっぷ1枚で、何百キロも電車に乗って旅ができる」
という旅行法です。
初乗り運賃は地域や出発する駅により異なります。
関東ならたいてい140円、関西なら最安130円!
初乗りが一番安く済むからみんなそうしてるだけですよ!
夢のような話ですが
当然、守らなければいけないルールがあります。
大回り乗車の最重要ルール
ルール1:最終目的地の駅までは、途中の駅で下車できない
下車とは
その駅の改札を通って外に出ることを言います。
普通の観光はできないと思ってくださいね。
車窓を楽しんだり
駅弁に舌鼓を打つ・・・
これが、大回り乗車の旅の
スタンダードな楽しみ方です。
乗り換えやトイレ休憩などのために
駅のホームに降りることは可能ですよ!
ルール2:移動中は、今来たルートを引き返したり、同じ駅を2度通過してはいけない
※東京→川崎→立川→新宿→東京→舞浜は、東京駅を2度通過することになるので、アウト。
東京→川崎→立川→新宿→神田は、一度も同じ駅を通過しないルートなのでOK。
今来たルートを引き返したり、同じ駅を2度通過した場合はルール違反となるので
実際にそれまで通ってきたルートの距離をもとに運賃を計算し、今持っているきっぷとの差額を支払うことになります(1人数千円になる場合もあるので要注意!)
ルール3:出発した駅で下車することはできない
たとえば
東京駅から大回り乗車の旅に出発して、最終的にまた東京駅で下車することはできません。
なぜなら、きっぷとは
「電車に乗って他の駅まで移動するためのもの」だからです。
出発した駅で降りるのはおかしいのです。
そこで
東京駅から140円区間で行ける駅(神田や有楽町など)で下車することになります。
そこからは再度140円区間のきっぷを買って東京駅まで戻るもよし。
徒歩で東京駅まで戻るのもアリです。
そういうきっぷを手配することも可能ですが、マニアックな話になるので
ここでは
「出発駅と下車する駅は異なる」と覚えておいてください!
ルール4:大回り乗車が可能なエリアは決まっている
JRが指定している「大都市近郊区間」
というエリア内のみを移動する場合に大回り乗車が可能です。
もちろん、1つのエリア内のみですので
「東京近郊区間から出発して、仙台近郊区間を経由しまた東京近郊区間に戻ってくる」というような、エリアをまたぐ乗車はできません。
※各地の大都市近郊区間(=大回り乗車が可能なエリア)
少しでもエリアをはみ出した場合
それまで移動してきたルートの距離をもとに運賃を算出して、今持っているきっぷの値段との差額を精算する必要があります。
「路線が入り組んでいる都市部」に作られたルールです。
名古屋が入ってないのは
「名古屋近郊は、JR路線がシンプル(少ない)」
からであって、決して名古屋が大都市ではない・・・という意味では(ry
ルール5:使えるきっぷに注意!
使用できるきっぷは
・「普通乗車券(自動券売機で買える、ふつうのきっぷ)」
・「ICカード(Suica,Icocaなど)」
・「回数券」
です。
定期券を使うことはできません。
※普通乗車券(ふつうのきっぷ)
ICカードの利用はおすすめしません。
紙のきっぷをおすすめします。
理由は、のちほど・・・。
知っておくと便利なルール・準備事項
ここでは
最重要というほどではないけれど
知っておくと便利なルール・準備事項などを解説していきます。
ICカードをおすすめしないワケ
ICカードでも
大回り乗車は可能ですが
・「車内検札があったときに、大回り乗車だということを理解されにくく、不正乗車の疑いをかけられるリスクが高い」
・事故などでJRが動かなくなったときに、他の私鉄などへの振替輸送を受けられない
というデメリットがあります。
ICカードにしたからといってそんなに安くなるわけでもないので(区間によってはむしろ高くなる場合も)、圧倒的に紙のきっぷをオススメします。
そこまでのきっぷ代+帰るための交通費が別途必要に・・・。
ヒィ~
<振替輸送は、なぜ紙のきっぷならOKでICカードはダメなの?>
東京駅から隣の駅の神田(140円区間)まで大回り乗車するとします。
140円の紙のきっぷを持っている場合
「(遠回りするとはいえ)神田まで行くのに有効なきっぷを持っているので、JRは神田までお客さんを無事に運ぶ義務がある」
状態です(契約書を持っているようなものだから)
だから、神田にたどり着けるように
どこであっても、振替輸送を受けられるのです。
いっぽう、ICカードの場合
「東京駅の改札を通った時点では、入場記録がつけられただけで、神田まで行くための乗車券を買っている状態ではないので、神田まで運ぶ義務は発生していない」(事実、東京駅の改札を通った時点では、まだ136円は引き落としされてない。引き落とし額が確定してない)
だから、JR側には神田まで運ぶ義務が発生していないので
事故のため途中の駅で降ろされたら、その駅までのお金を払わないといけないのです。
(関連記事>>なぜICカード乗車券は振替輸送の対象外?紙のきっぷの方がいいの?)
出発前に準備すべきことは?
特に準備することはありません。
きっぷを正しく買えばオーケーです。
ただ
・車内検札で旅行ルートを尋ねられる場合がある
・一緒に大回り乗車をする人に鉄道の知識がない場合、どういうルートで旅するかを目で見せたほうが親切
という理由から
行程表(ルートマップ)を作っておくと良いでしょう。
といっても
「旅のしおり」みたいな凝ったものを作る必要はありません。
↓こんな雑な感じでも大丈夫です。
※実際に携行した、手作りの行程表。
簡単な図で書くとわかりやすい。
(注:みなさんのハードルを下げるために、わざと雑に描いてるんですよ!)
字が達筆なのはご愛嬌。
自分自身にとっても「ちゃんと一筆書きのルートになっているのか」の確認にもなるのでメリットがありますね。
このほか
「どこの駅でどんな駅弁が売っているか」
「どこの路線で、どちら側の席に座ると何が見えるか」
「乗り継ぎスケジュールに無理はないか」
こんな項目を確認しておきましょう。
車内検札が来たときはどうしたらいい?
電車に乗っていると
普通の通勤電車であっても、車掌さんが突然
「いまからきっぷを拝見します」
と言って乗客のきっぷをチェックすることがあります
(特に、乗客の数がそれほど多くない区間)
これを「車内検札」といいます。
大回り乗車の場合
車内検札が来たときには、すでに手持ちのきっぷの区間外であることがほとんどです(東京駅から140円区間のきっぷを持った状態で、群馬県の高崎付近で車内検札が来るなど)
ですので
ただ黙ってきっぷを提示すると、不正乗車をしていると疑われてしまいます。
この場合
車掌さんにきっぷを見せて「大回りです」と言えばたいてい伝わります。
ごくまれに
「どういうルートで旅行されてますか?」と尋ねてくるマジメな車掌さんもいるので、その際は先程の「行程表」を見せれば大丈夫です。(口頭で説明可能ならそれでもOK)
特急や新幹線には乗れるの?
特急券を別に買えば、乗れます。
ただし
特急券には大回りという考え方はないので、必ず「実際に特急や新幹線を乗る区間のきっぷ」を買わないといけません。
たとえば
新大阪~米原間を新幹線自由席に乗る場合は、2530円を支払う必要があります。
自動改札機は通れないので、駅員さんに乗車券と特急券を見せて「大回りです」と告げて通りましょう!
ただし、新幹線に関しては乗れない場合があります。
それは「そもそも新幹線が、大都市近郊区間(=大回り乗車できる区間)に含まれていない場合」です。
ぶっちゃけ、大回り乗車で新幹線が利用できる区間は「東海道新幹線の新大阪~京都~米原間だけ」です。
ほとんど乗れる区間はないですね・・・。
仙台近郊区間に
「特急列車で奥羽本線福島~新庄をご利用になる場合は含まれません」というただし書きがありますが、これは山形新幹線のことを指していますね
(この区間は分類上は在来線とされているため)
どうして大回り乗車ができるの?
なんでこんなことができるの?
簡単に解説しましょう。
みんなが知ってそうで知らないことなのですが
JRのきっぷ代の計算は「実際に電車に乗って移動した距離」で計算されます。
ということは
ちょっと遠回りすると、本来はきっぷ代は変わるはずなのです。
たとえば
東京駅から新宿駅まで行く場合のきっぷ代は、駅の運賃表を見ると「200円」と記載されています(2018年4月現在)
それ以外の金額は記載されていません。
でも
もし遠回りのルートで移動するつもりなら
必要なきっぷ代は変わる可能性がありますよね?
※東京駅の運賃表。
新宿駅までの運賃表記は中央線経由の200円のみが書かれている
※東京から新宿まで、最短ルート(青い線、中央線経由)だと10.3キロで200円となる(駅の運賃表にはこの金額が表示されている)
※一方、少し遠回りのルート(山手線で池袋経由)だとその距離は17.1キロで、きっぷ代は260円になるはず・・・?(きっぷ代は山手線区間の紙のきっぷでの値段)
実際にどのルートで進むか?
路線が沢山ある都市部では
「その日の混雑具合」や「電車が来たタイミング」などで移動ルートはしょっちゅう変わるはずです。
かといって
いちいちその日のルートできっぷ代が変わるなんて、すごくめんどくさいですよね?
しかも
昔は自動券売機が普及していなかったので、駅員さんが近距離のきっぷでも手計算できっぷを発売していました。
そこで
「路線がいっぱいある都市部では、いちいちお客さんにその時の移動ルートを確認していてはめんどくさい。だったら、都市部はどのようなルートで移動しても、最短距離のきっぷ代で移動できる」ということにすればいいじゃないか!
というルールが誕生しました。
大回り乗車とは
このルールをかなりおおげさに?解釈して
「東京から新宿に行くのに、めちゃくちゃ遠回りして房総半島をぐるっと一周する。それでも最短ルートの200円でいいんですよね?」といってやっているわけです。
なので、ちゃんとルールにのっとってやっているのです。
モラル的にどうかというのは置いといて・・・。
あくまでも路線の多い都市部でのルールなので
ルールが適用されない地方の駅の運賃表には
そこへ行くのに2通り以上ルートが考えられる駅までのきっぷ代は「○○駅経由800円、△△駅経由1000円」というような表記がされている場合があります。
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大回り乗車はマルス券でもできます。
あとJRの旅客営業規則に定める分岐駅特例の適用も可能だと思います。
具体例としては大宮から草津・四万号に乗って高崎まで移動しその後八高線に乗る(高崎から倉賀野間が重複するが分岐駅特例で可能)
コメントありがとうございます。
分岐駅特例に関しては、初心者にはややこしいと思って省いてます(初心者で特急に乗る人はかなり少ないと思うし)が、どこかで補足で書こうかなとも考えてます!