きっぷのルール

JR「大回り乗車」とは何か?最安120円で数百キロ鉄道の旅

※初乗り運賃だけで、JRで何百キロも鉄道旅行ができることで人気の「大回り乗車」。
正しいルールを理解して、楽しく旅しましょう!

 

こんにちは。
鉄道旅行大好き「てりん」と申します。

 

今回は、JRの初乗り運賃だけで何百キロも鉄道の旅ができるという、なんだかうさんくさい?テクニック「大回り乗車」の基本についてのお話です。
違法行為ではないものの、しっかりとルールを理解して、楽しい旅をしましょうね!

 

これが「大回り乗車」のすべて(の一部)だ!

大回り乗車って何?

まずは、超ザックリとした説明から。

 

大回り乗車とは
「JR線の特定のエリア内(大都市近郊区間といいます。のちほど紹介)を、初乗り運賃のきっぷ1枚で、何百キロも電車に乗って旅ができる」という旅行法です。

 

初乗り運賃は地域や出発する駅により異なります。関東ならたいてい140円、関西なら最安120円です!(初乗り運賃でないといけないわけではありません)

 

 

夢のような話ですが、いくつか条件があります。

 

最終目的地の駅までは、途中の駅で下車はできない。

 

下車とは、その駅の改札を通って外に出ることを言います。
普通の観光はできないと思ってくださいね。
乗り換えやトイレ休憩などのために駅のホームに降りることは可能ですよ!(無人駅をのぞく)

 

電車で移動中は、今来たルートを引き返したり、同じ駅を2度通過してはいけない。(結果として、一筆書きのようなルートになる)

 

※東京→川崎→立川→新宿→上野は、一度も同じ駅を通過しないルートなのでOK。
東京→川崎→立川→新宿→品川→東京→舞浜は、品川~東京間の各駅を2度通過することになるので、アウト

今来たルートを引き返したり、同じ駅を2度通過した場合はルール違反となるので、実際にそれまで通ってきたルートの距離をもとに運賃を計算し、今持っているきっぷとの差額を支払うことになります(1人数千円になる場合もあるので要注意!)

 

出発した駅で下車することはできない。初乗り運賃のきっぷで出発した場合、最終目的地は主に出発した駅の近くの駅になる。

 

たとえば東京駅から出発して、最終的にまた東京駅で下車することはできません。
なぜならきっぷというのは「電車に乗って他の駅まで移動するためのもの」だからです。なので出発した駅で降りるのはおかしいのです(その場合は「入場券」を買わないといけません)
なので、東京駅から140円区間で行ける駅(神田や有楽町など)で下車することになります。そこからは再度140円区間のきっぷを買って東京駅まで戻るもよし、徒歩で帰るのもありです。

 

以上がざっくりした説明です。
このように「初乗り運賃で何百キロも旅ができる」という点が強調される大回り乗車ですが、その意味をもう少し詳しく書くとこんな感じです。

 

「JRの特定のエリア内(大都市特定区間といいます。後述)を電車で移動する場合、今来た道を引き返したり2度同じ駅を移動しない限りは、目的地へ行くのに迂回して進んでもいいですよ。迂回したとしても、きっぷ代は最短ルートで進んだ場合の金額を払えばいいですよ」

 

このルールを極端にとらえて実行すると「初乗り運賃で何百キロ」になるわけですね。

なので、別に初乗り運賃のきっぷを買わないといけないわけではありません。
「横浜で用事があるから、東京から横浜までの470円のきっぷを買って、移動するついでに大回りして房総の海でも眺めに行くか・・・」
ということも可能です。

どうして大回り乗車ができるの?

では、なんでこのようなことができるのか?について簡単に解説しましょう。

 

みんなが知ってそうで知らないことなのですが、JRのきっぷ代の計算は「実際に電車に乗って移動した距離」で計算されます。

ということは、ちょっと遠回りすると、本来はきっぷ代は変わるはずなのです。

 

たとえば、東京駅から新宿駅まで行く場合のきっぷ代は、駅の運賃表を見ると「200円」と記載されています(2018年4月現在)
それ以外の金額は記載されていません。

でも、もし遠回りのルートで移動するつもりなら、必要なきっぷ代は変わる可能性があるのです。

※東京から新宿まで、最短ルート(青い線、中央線経由)だと10.3キロで200円となる(駅の運賃表にはこの金額が表示されている)
一方、少し遠回りのルート(赤い線、山手線で池袋経由)だとその距離は17.1キロで、きっぷ代は260円になるはず(以上、きっぷ代は山手線区間の紙のきっぷでの値段)

 

東京駅 運賃表※東京駅の運賃表。
新宿駅までの運賃表記は中央線経由の200円のみが書かれている

 

実際にどのルートで進むか?
路線がたくさんある都市部では、「その日の混雑具合」や、「電車が来たタイミング」などで移動ルートはしょっちゅう変わるはずです。

かといって、いちいちその日のルートできっぷ代が変わるなんて、すごくめんどくさいですよね?

 

しかも、昔は自動券売機が普及していなかったので、駅員さんが近距離のきっぷでも手計算できっぷを発売していました。

そこで
「路線がいっぱいある都市部では、いちいちお客さんにその時の移動ルートを確認していてはめんどくさい。だったら、都市部はどのようなルートで移動しても、最短距離のきっぷ代で移動できる」ということにすればいいじゃないか!
というルールが誕生しました。

 

大回り乗車とは、このルールをかなりおおげさに?解釈して
「東京から新宿に行くのに、めちゃくちゃ遠回りして房総半島をぐるっと一周する。それでも最短ルートの200円でいいんですよね?」といってやっているわけです。(なので、ちゃんとルールにのっとってやっているのです。モラル的にどうかというのは置いといて・・・)

あくまでも路線の多い都市部でのルールなので(具体的なエリアはのちほど解説)、ルールが適用されない地方の駅の運賃表には、そこへ行くのに2通り以上ルートが考えられる駅までのきっぷ代は「○○駅経由800円、△△駅経由1000円」というような表記がされている場合があります。

 

どんなきっぷで大回り乗車ができるの?

使用できるきっぷは

・「普通乗車券(自動券売機で買える、ふつうのきっぷ)」
・「回数券」

です。
定期券を使うことはできません。

 

※普通乗車券(ふつうのきっぷ)

 

ICカードでも大回り乗車は可能ですが

・「車内検札があったときに、大回り乗車だということを理解されにくく、不正乗車の疑いをかけられるリスクが高い」

・事故などでJRが動かなくなったときに、他の私鉄などへの振替輸送を受けられない

というデメリットがあります。
金額的にICカードにしたからといってそんなに安くなるわけでもないので(区間によってはむしろ高くなる場合も)、紙のきっぷをオススメします。

 

大回り乗車が可能なエリアは?

JRが指定している「大都市近郊区間」
というエリア内のみを移動する場合に大回り乗車が可能です。

もちろん、1つのエリア内のみですので
「東京近郊区間から出発して、仙台近郊区間を経由しまた東京近郊区間に戻ってくる」というような、エリアをまたぐ乗車はできません。

 

大阪近郊区間福岡近郊区間新潟近郊区間仙台近郊区間※各地の大都市近郊区間(=大回り乗車が可能なエリア)

 

少しでもエリアをはみ出した場合、それまで移動してきたルートの距離をもとに運賃を算出して、今持っているきっぷの値段との差額を精算する必要があります。

 

出発前に準備すべきことは?

特に準備することはありません。
きっぷを正しく買えばオーケーです。

 

ただ

・車内検札で旅行ルートを尋ねられる場合がある(後述)

・一緒に大回り乗車をする人にあまり鉄道の知識がない場合、どういうルートで旅するかを目で見せたほうが親切

という理由から
行程表(ルートマップ)を作っておくと良いでしょう。

凝ったものを作る必要はありません。
こんな雑な感じでも大丈夫です。

※手作りの行程表。
簡単な図で書くとわかりやすい。(みなさんのハードルを下げるために、わざと雑に描いてるんですよ!)字が達筆なのはご愛嬌。

 

自分自身にとっても「ちゃんと一筆書きのルートになっているのか」の確認にもなるのでメリットがありますね。

車内検札が来たときはどうしたらいい?

電車に乗っていると普通の通勤電車であっても、車掌さんが突然
「いまからきっぷを拝見します」
と言って乗客のきっぷをチェックすることがあります(特に、乗客の数がそれほど多くない区間)
これを「車内検札」といいます。

 

大回り乗車の場合、車内検札が来たときには、すでに手持ちのきっぷの区間外であることがほとんどです(東京駅から140円区間のきっぷを持った状態で、群馬県の高崎付近で車内検札が来るなど)

ですので、ただ黙ってきっぷを提示すると、不正乗車をしていると疑われてしまいます。

 

この場合
車掌さんにきっぷを見せて「大回りです」と言えばたいてい伝わります。

ごくまれに
「どういうルートで旅行されてますか?」と尋ねてくるマジメな車掌さんもいるので、その際は先程の「行程表」を見せれば大丈夫です。(口頭で説明可能ならそれでもOK)

特急や新幹線には乗れるの?

新幹線特急券を別に買えば、乗れます。

ただし、特急券には大回りという考え方はないので、必ず「実際に特急や新幹線を乗る区間のきっぷ」を買わないといけません。
たとえば、新大阪~米原間を新幹線自由席に乗る場合は、2480円を支払う必要があります。

 

自動改札機は通れないので、駅員さんに乗車券と特急券を見せて「大回りです」と告げて通りましょう!

 

ただし、新幹線に関しては乗れない場合があります。
それは「そもそも新幹線が、大都市近郊区間(=大回り乗車できる区間)に含まれていない場合」です。

たとえば、東京~高崎間を新幹線で移動することはできません。
図の下に「新幹線で東京~熱海間、東京~那須塩原間、東京~高崎間をご利用になる場合は(近郊区間には)含まれません」とはっきり書いてあるのでわかりますね。

 

ぶっちゃけ、大回り乗車で新幹線が利用できる区間は「東海道新幹線の新大阪~京都~米原間だけ」です。
ほとんど乗れる区間はないということですね・・・。

在来線特急はこのような制限はないので大丈夫ですよ!

 

仙台近郊区間に
「特急列車で奥羽本線福島~新庄をご利用になる場合は含まれません」というただし書きがありますが、これは山形新幹線のことを指していますね(この区間は分類上は在来線とされているため)

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