きっぷのルール

なぜICカード乗車券は振替輸送の対象外?紙のきっぷの方がいいの?

小田急ロマンスカー

通勤通学、ちょっとしたおでかけや買い物まで
日常のあらゆる場面で大活躍する「交通系ICカード」。

 

完全無欠に見える魔法のカードですが
ちょっと、気になることがあるんです。それは

「人身事故発生時などの振替輸送の対象外」

ということ。

 

※え、suicaは振替輸送の対象外・・・?
今時みんなsuicaやICOCAなどのICカードを使っているのに・・・。
どうして?じゃあどうしたらいいの?

 

今回は、もしも
ともに新宿と小田原を結ぶ、小田急とJR(湘南新宿ライン)で振替輸送が起きたら・・・?

というお話をもとに解説をしていきます。

 

関東のお話になりますが
関西など他エリアでもほぼ同じルールになっているので、最後まで読んでいってくださいね!

 

※新宿と小田原を結ぶ、小田急とJR(湘南新宿ライン)の概略図。
新宿~小田原間の紙のきっぷ代は小田急は880円、JRは1490円

なぜICでは振替輸送が受けられないのか?

振替輸送の基礎知識

「なんで、ICだと振替輸送が受けられないの?」

その本題に入る前に
まずは振替輸送の基本を押さえておきましょう。

振替輸送とは?

「鉄道会社A社」の路線が、乗車中に人身事故などで不通になり、目的地の駅まで行けなくなってしまった場合に
あらかじめA社の路線のきっぷを持っている人(=きっぷ代を払って電車に乗っている人)が、並行する(似たようなルートを走る)B社の路線に、A社のきっぷで電車に乗り、目的地まで移動できる制度。

※ここでいう「きっぷ」には、回数券や定期券も含まれる

振替輸送の対象となる路線は、鉄道会社の判断で決まります。
その時の状況(事故が起きた場所など)によって変わる場合があります。

今回は「小田急で事故が起こり、町田駅でJRに振替輸送する」という例で解説していますが、町田で振替するかどうかは事態が起こるまでわかりませんのでご注意を!

 

例:新宿から小田原まで小田急線で移動中、人身事故のため小田急が運転見合わせになり、振替輸送で町田からJRに乗り換え、JR横浜線を経由して小田原まで行くことになった場合

紙のきっぷ(880円)を持っている場合や、小田急の新宿~小田原間の定期券(IC、紙どちらも可)を持っている場合は、そのきっぷ・定期券でJRに乗って小田原まで移動できる(追加できっぷ代を払う必要なし)

JRで小田原まで移動することになっても、追加のきっぷ代を払う必要はありません(880円と、JRの新宿~小田原のきっぷ代1490円との差額を払わなくても良い)

 

これが、振替輸送の基本です。

ところが、ICカードだとうまくいかないことがあるようで・・・。

IC乗車券では振替輸送が受けられない!なんで?

定期券であれば、紙でもICでも振替輸送の対象となりますが

いわゆる「IC乗車券」は、振替輸送の対象外になっています。

「IC乗車券」と「IC定期券」

「IC乗車券」とは
改札をタッチして、そのつど乗り降りした区間に応じてチャージした金額が引き落とされる仕組みのことを言います。

なのでIC定期券を使って、旅行先など定期券の区間外を利用する場合も、そのときは実質「IC乗車券」として使っていることになり、振替輸送の対象外になります。

「自分が持っているカードはIC定期券だから大丈夫!」
ということではないので、勘違いのないように。

なんで
IC乗車券は対象外なんでしょう??

 

ポイントは、さきほどの振り替え輸送の説明にもあった
あらかじめ(事前に)A社のきっぷ代を払っているかどうか」
という点。

ICカードを、出発駅の改札機にタッチした時点では
単に「その駅から乗りましたという記録をつけただけ」で、きっぷ代は払っていない状態なのです。
(下りる駅でタッチして、チャージから引き落とされた時点できっぷ代を払ったことになる)

振替輸送の「あらかじめきっぷ代を払っている」というルールから外れているので、IC乗車券ではダメなんですね。

 

小田急の例で言えば

「最初から880円のきっぷ代を払っている人や小田原までの定期券を買っている人に対しては、小田原まで送り届ける義務があるので、きっぷ代の高いJRに案内してでもそのきっぷで行ってもらう。

IC乗車券の人はまだ880円をいただいていない(チャージ額が少なければ、いただけない可能性もある)ので、小田原まで送り届ける義務はない」

ということなのでしょう。

 

「なにそれ?納得いかない!」

はい。
僕含め多くの人が、理解はできても納得はしていないはず・・・。

仕方がないので
「IC乗車券で移動中に電車が止まったら、どうなっちゃうのか?」
を押さえておきましょう。

IC乗車券で乗車中に電車が止まったら、きっぷ代はどうなる?

繰り返しになりますが
IC乗車券は振替輸送の対象にはなりません。

といっても
別に「B社の路線に乗り換えさせてもらえない」とか「改札の外に出してもらえない」という意味ではありませんよ!

「対象にならない」というのは、あくまでも「本来のA社のきっぷ代で目的地まで行くことはできない」という、きっぷ代に関する部分を言っているだけです。

 

じゃあ
IC乗車券で乗車中に電車が不通になってしまったら、どうなるのか?

 

シンプルに
「普通に移動する場合と同じルールできっぷ代が引き落とされる」
だけです。

 

例:新宿から小田原まで、IC乗車券で小田急線に乗って移動中、人身事故のため小田急が運転見合わせになり、町田でJRに乗り換えて、JR横浜線を経由して小田原まで行くことになった場合

普通にICカードをタッチして、電車を乗り継ぐだけ。
具体的には、以下の通り。

まず、町田駅でICカードをタッチし、改札の外に出る。
この時、新宿~町田の小田急のきっぷ代370円が引き落される。

次にJR町田駅でICカードをタッチし入場。
JR小田原駅到着後、ICカードをタッチして改札の外に出る。
この時、町田~小田原のJRのきっぷ代1144円が引き落される。

よって
370円+1144円=1514円のきっぷ代を払うことになる。

 

きっぷ代の高いJRに乗り換えた上に
横浜線を経由(遠回り)することになったため

きっぷ代は本来の880円(ICなら874円)で済むところを、倍近くの1514円も払うハメになってしまったのです・・・。

 

かつて、関西エリアでは
IC乗車券でも紙のきっぷと同じように振替輸送が適用されていましたが

2019年8月現在、関東エリアと同様に振替輸送が適用されなくなってしまいました・・・。(つまり、小田急の例のようにきっぷ代が高くなってしまうおそれあり)

 

ICよりも、紙のきっぷのほうがいいの?

IC乗車券では振替輸送が使えない以上

今回の小田急のような例では、万一のことを考えると紙のきっぷで移動したほうが安心といえるでしょう。

逆に、きっぷ代の高いほうの路線(今回の例ではJR)を利用する場合はあまり気にしなくてもよいですね。

金券ショップなどで入手できるのなら
紙の回数券をあらかじめ確保しておくのもよいでしょう。

私鉄の株主優待券など、一部の紙のきっぷでは振替輸送が認められないことがあるので要注意!

小田急の株主優待券(1回、小田急線の好きな駅まで乗れる)も振替輸送の対象外です。

仮に、新宿から小田原まで
金券ショップで600円で買った小田急の株主優待券1枚だけで移動しようと思っていたのに、先ほどの例のように町田でJRに乗り換えるハメになった場合

・新宿から町田までのきっぷ代 600円(優待券)
・町田から小田原までのJRのきっぷ代 1144円
合計1744円

1800円近くも払うという、悲惨なことが起こる可能性もあります・・・泣。

 

 

 

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