きっぷのルール

定価より格安で旅できる?JR2つの乗り越し精算法をマスターしよう

こんにちは。
鉄道で日本を旅するのが大好き
「てりん」と申します。

 

今回は、JRの乗り越しに関するお話です。

JRでは、2つの乗り越しの方法があり、どちらの方法になるかで精算の金額が変わってくることがあります。

 

「どういう乗り越しの精算方法があるのか?」
「どの方法になるのかはどのように決まるのか?」

さらには
「乗り越し精算で定価よりも安く旅行できる方法」まで

解説していきたいと思います!!

2つの乗り越し方法とは?

JRの乗り越しには、2つの方法があります。

1.発駅計算方式

発駅計算方式とは
「今持っているきっぷの値段と、本来、出発駅で買うべきであったきっぷの値段を比較し、足りない差額を精算する」という意味です。

発駅とは「出発した駅」という意味ですね。

 

例えば
東京駅から1690円区間のきっぷを持った状態で、熱海駅(東京駅からは1980円区間)まで乗り越した場合。

 

※「○○円区間」と、行き先ではなく、行ける区間の値段が書かれたオレンジ色のきっぷ。

 

本来東京駅で買うべきであったきっぷ代1940円から、今持っているきっぷの代金1660円を差し引いて

1980-1690=290円

つまり、熱海駅で290円を支払えば精算完了ということになります。
実にシンプルですね。

 

もうひとつ、例を。

東京駅から神田駅までと書かれているきっぷ(140円区間)を持った状態で

ひとつ先の秋葉原駅(同じく東京駅から140円区間)に乗り越す場合はどうなるでしょうか?

※行ける区間の値段ではなく、はっきり目的地の駅名が書かれている水色のきっぷ

 

この場合は

140-140=0円

となるので、追加でお金を支払う必要はありません。

 

(ただしこの場合、追加でお金を払う必要はなくても、一旦精算機にきっぷを入れて出場証を手にしないと改札を出れない可能性がある)

 

2.打ち切り計算方式

打ち切り計算方法とは

「今持っているきっぷの最終目的地で一旦降りたと仮定して、そこから改めて乗り越す駅までのきっぷを買ったとみなし、そのきっぷ代を払って精算する」

というものです。

 

例えば

東京駅から熱海駅までのきっぷ(1980円、東海道新幹線経由)を持った状態で

在来線でひとつ先の函南駅(かんなみ)まで乗り越しをした場合。

 

今持っているきっぷの最終目的地は熱海駅なので

一旦熱海駅で降りたと仮定して

熱海駅で函南までのひと駅分のきっぷを買ったとみなし、そのきっぷ代を函南駅で精算することになります。

 

※乗り換え案内ですぐにきっぷ代は調べることが可能(IC運賃ではなく、紙のきっぷで検索してください)

 

よって、函南駅で200円を支払えば精算完了ということになります。

 

ちなみに
この例で精算方法が発駅計算方式だったとすれば

東京駅から熱海駅までのきっぷ代は1980円
東京駅から函南駅までのきっぷ代も1980円

差額は0なので
1円も払わずに精算が完了ということになります。

 

このように

発駅計算か打ち切り計算かで結果が変わることは、よくあります!

 

では、もうひとつ例を。

東京駅から神田駅までと書かれているきっぷ(140円区間)を持った状態で

ひとつ先の秋葉原駅(同じく東京駅から140円区間)に乗り越す場合はどうなるでしょうか?

 

・・・さっきも全く同じ例が出てきましたね。

発駅計算方式の時は0円で精算できましたが、打ち切り計算方式ではどうでしょうか?

 

この場合

今持っているきっぷの最終目的地は神田駅なので

神田駅で一旦降りたと仮定し

あらためて神田から秋葉原までのひと駅分のきっぷを買ったとみなすので、さらに140円を支払わなければならないのです。

 

全部で280円支払うことに・・・( ;∀;)
大損してしまいましたね・・・。

乗り越し方法はどうやって決まるの?

以上のように

乗り越し方法には2つのやり方があり、どちらになるかで精算代金が変わる場合があることがわかりました。

では、どっちの方法をとるかは、どのように決まるのでしょうか?

 

それは、手に持っているきっぷの種類によって決まります。

方式別きっぷの種類一覧

「発駅計算方式となるきっぷ」と
「打ち切り計算方式となるきっぷ」を
以下にまとめました。

 

 発駅計算方式となるきっぷ

・片道の距離が100キロ以下の普通乗車券

・片道の距離が101キロ以上であっても、乗車区間が「大都市近郊区間内」のみで完結する普通乗車券(後述)

※ここでいう普通乗車券とは
「定期券でも回数券でもフリーパスでもない、普通に自販機で買うきっぷ」
くらいに考えてもらったら良いです。

 

打ち切り計算方式となるきっぷ

・片道の距離が101キロ以上の普通乗車券(「大都市近郊区間」をひと駅でもはみ出せば打ち切り計算方式に該当する)

・回数券と定期券(距離は関係なし)

・フリーパスなどの特殊なきっぷ

 

先ほどの、神田駅から秋葉原駅への乗り越しの場合
持っているのが東京駅からの普通乗車券であれば、発駅計算となるので精算金額は0円となり

東京駅〜神田駅間の回数券や定期券の場合には、打ち切り計算となるので140円を追加で支払わなければ精算ができない・・・

といった具合になります。

 

「回数券で乗り越すと損することがある!」
なんて話を聞いたことがないでしょうか?

それは、打ち切り計算ゆえに余計にお金を払うケースを指すのですね。

大都市近郊区間とは?

大都市近郊区間と呼ばれる

東京・大阪・福岡・新潟・仙台の近郊に指定されているエリアの中のみを移動する切符の場合

片道の距離が101キロ以上であっても、そのきっぷは発駅計算方式となります。

 

 

大阪近郊区間※東京・大阪の大都市近郊区間。

 

ただし
大都市近郊区間では、多くの新幹線区間は含まれません

(東京近郊区間の東海道新幹線の東京~熱海間、大阪近郊区間の山陽新幹線の新大阪~西明石間など)

 

なので

たとえば、東京から熱海までの在来線(東海道線)経由のきっぷは、距離が100キロを超えていますが

大都市近郊区間内なので乗り越しは発駅計算方式になります。

 

一方、東京から熱海までの東海道新幹線経由のきっぷの場合は

大都市近郊区間から外れているので、乗り越しは打ち切り計算方式となるのです。

 

※同じ「東京~熱海間」でも
「こだま」なら、乗り越しは打ち切り方式。
「踊り子」なら、発駅方式・・・。

乗り越しでお得に旅行ができる?

ここまでの話の流れだと
「打ち切り計算方式は、余計にきっぷ代を払うことが多い」
というイメージがついてしまいそうですね。

 

ところが!
実はこの打ち切り計算方式こそ

お得な旅行をするための重要なキーポイントなのです!!

 

では
フリーパスのケースと回数券のケースで、安くなる具体例を見てみましょう。

 

フリーパスの乗り越しで安くなるケース

都区内パスでの乗り越しで安くなるケースを見てみましょう。

都区内パスは
1日760円で、東京23区内のJR路線が乗り放題になるフリーパスです!

 

※都区内パス。この図のエリア内が一日中乗り放題だ

 

西荻窪(23区内の西端の駅)から、ディズニーリゾートの最寄駅の舞浜駅まで行く場合を例にします。

 

まず、普通に西荻窪~舞浜のきっぷを買うと

片道が561円で、往復1122円
(ICの場合。紙のきっぷだと片道570円)

 

西荻窪は都区内パスのエリア内です。

そこで、西荻窪駅で都区内パスを購入し、舞浜まで行くとどうなるか?

 

もう一度、都区内パスのエリアの表を見てみましょう。


一番右下に「葛西臨海公園」という駅名が書いてあるのが見えますか?

ここは、京葉線の舞浜のひとつ手前(東京寄り)の駅なのです。
この駅までは都区内パスで行ける、ということになります。

つまり
あと足りないのは
「葛西臨海公園から舞浜までの一駅分のきっぷ」

このきっぷの値段を、舞浜駅で降りるときに乗り越し精算すれば良いのです。

 

 

IMG_3191
一駅分だから、初乗り運賃の140円ですね。
つまり、都区内パス+140円の精算で舞浜駅まで行けるわけです。

帰りも同じ。
舞浜駅から葛西臨海公園駅までの一駅分のきっぷを買って、葛西臨海公園からのきっぷは都区内パスが有効ですので、追加で買わなくてOK。(この方法を使う場合は、ICカードは使わず紙のきっぷを買いましょう)
すると払うきっぷ代の総額は

 

・舞浜⇄葛西臨海公園
往復のきっぷ代 280円

・都区内パス 760円

合計 1040円

 

ということで
ICの定価1122円よりも80円近く安くなります!!

 

なお

東京の場合は私鉄が結構安いので、私鉄と競合する区間では安くなるパターンは少なくなります。

私鉄や地下鉄が一切通ってない駅同士を移動する場合に、有利になることが多いようです。

 

ほかにも
「ルートの間に都区内パスを挟んで乗り越すテクニック」などもあります。

詳しくはこちらの記事をごらんください!
>>>乗り越しで更に安く!JR東京フリーパス「都区内パス」使い方買い方

 

回数券での乗り越しで安くなるケース

今回は

「大阪駅を出発し、大阪から京都までの回数券を持った状態で、京都より10キロくらい東にある大津駅(滋賀県の県庁所在地の駅)まで乗り越す場合」

という例で解説していきます!

 

大阪〜大津間の定価のきっぷ代は990円です。

 

いっぽう

大阪〜京都の回数券のきっぷ代は、1枚あたり約466円。

京都〜大津の定価のきっぷ代(=打ち切り方式での乗り越し額)
200円。

 

大阪〜京都の回数券を持って、大津駅まで乗り越しした場合
回数券での乗り越しなので、打ち切り計算方式で精算します。

そのため、回数券の最終目的地である京都駅で一旦降りたと仮定し、ここで大津までのきっぷを買ったとみなして精算をします。

つまり、大津駅では200円を払って精算するわけですね。

 

ここで、不思議な事が起こっているのに気づきましたか?

 

大阪〜京都の回数券の値段は1枚あたり約466円。

それに200円追加で払うだけで大津駅に降りれるということは

なんと、約666円で大阪〜大津を移動できたことになるのです!!
定価の990円に比べ、324円も安くなっている!!

 

「回数券で乗り越しすると、損をする」
は、絶対ではないのです!!

 

「なんでこんなに安くなるの?」

詳しい仕組みは、この記事に譲ることにしましょう。
>>>割切れぬ人生を今宵は忘れて JR乗車券分割の仕組み注意点

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