※東京~出雲・高松間という長距離を走る寝台特急「サンライズ号」。
遅れることが多い列車のひとつである
(この記事内の内容は、2019年10月現在のものです)
こんにちは。
鉄道で日本を旅するのが大好き
「てりん」と申します。
「どうして新幹線が遅れたのに、きっぷ代が全額返ってこないの!?」
列車の遅れと払い戻しに関する苦情が、ネット上でよくみられます。
新幹線や特急が遅れた場合、いくら払い戻し(返金)されるのか?
なぜ全額返金されないのか?
この記事ではその点について解説します。
運休になった場合(=目的地まで行けなかった場合)は、また別の話になるのでご了承ください!
あくまでも
「目的地までは着いたけど、予定よりも到着が遅れた場合」に関しての記事です。
もくじ
「返金されるきっぷ」と「返金されないきっぷ」
新幹線やJRの特急に乗るときには
「乗車券」と「特急券」という2枚のきっぷが必要です。
(寝台車やグリーン車に乗る場合には、さらに上乗せで「寝台券」や「グリーン券」を買う)
この2枚のきっぷ、どう違うのか?
簡単にまとめると以下の通り。
・乗車券とは?
お客さんを、目的地の駅まで無事に運ぶことを約束するきっぷ。
特急に乗ろうが、各駅停車でのんびり進もうが、絶対に必要。
何時間遅れようと、目的地にさえ着けば、払い戻しは一切ない。
(無事に目的地に着いた時点で、その役目を果たしたことになるので)
・特急券とは?
特急や新幹線に乗る区間の分だけ、乗車券に上乗せして買うきっぷ。
各駅停車や快速よりも短い時間で目的地に着くことができるサービスに対してお金を払う。
そのため、大幅に到着が遅れると意味がない。
2時間以上到着が遅れると、特急券は全額払い戻しとなる。
この2枚のきっぷの合計が
新幹線や特急に乗る際のきっぷ代になります。
区間によっては
一枚のきっぷに、この2枚のきっぷがワンセットになって発売される場合もあります。(例:東京23区内〜大阪市内を新幹線で移動する場合など)
※乗車券と特急券が1枚になったきっぷ。
『乗8750・特4870』と書いてあるのは
「乗車券の値段が8750円、特急券の値段が4870円という意味。
この2種類のきっぷは、その意味合いが異なります。
「乗車券」とは
あくまでも、目的地まであなたを無事にJRで移動させることを保証するもの。
つまり
何時間かかろうが、無事にあなたの体が目的地に着きさえすれば、その役割を果たすわけです。
だから、遅れて目的地へ着いても払い戻しはありません。
「特急券」とは
各駅停車や快速などに比べて短い時間で目的地に着くサービスに対して払っているものです。
最終的に到着時間が遅れては特急としての意味がないため、あまりにも遅れが出ると払い戻しになるのです。
通常、予定より2時間以上到着が遅れると払い戻しとなります。
あくまでも
特定の新幹線や特急が、2時間以上遅れて目的地に到着した場合のルールです。
「本来必要のない乗り継ぎがあったせいなどで、結果的に目的地に2時間以上遅れて到着した場合」
でも全額払い戻しされる、とは限りません。
レアなケースですが
具体的なことは、この記事を参照ください。
>>>代行輸送をはさむ場合のJR特急きっぷ代の払い戻しの仕組みとは?
ということで、
それぞれのきっぷは存在理由が異なります。
もちろん、災害などで目的地まで行けない場合はすべて払い戻しとなりますが
遅れに関しては乗車券は知ったこっちゃないので、払い戻しの対象とはならないのです。
この認識がないと
「どうして全額戻ってこないの?」
という疑問はいつまでたっても消えることがありません・・・( ;∀;)
具体的な払い戻し例(新幹線と「サンライズ号」の場合)
新幹線が遅れた場合の払い戻し具体例
東京から大阪まで「のぞみ」自由席で移動し
到着が予定よりも2時間以上遅れた場合
いくらの払い戻しになるでしょうか?
・東京~大阪の乗車券は8910円
・東京~新大阪の特急券は4960円
合計13870円
なので、2時間以上遅れた場合は
「特急券の分、4870円だけが払い戻しとなる」
わけです。
グリーン車に乗る時に上乗せで買うグリーン券は
「グリーン車に座れるサービスに対して払うもの」なので
グリーン車にさえ座れていれば、いくら遅れても払い戻しの対象になりません。
払い戻しがありうるとしたら
「他のお客さんの子供が、あなたが座る予定だったグリーン席を汚してしまい使えなくなり、ほかに空席が無く普通車に移動せざるを得なくなった場合」
などですね。
寝台特急「サンライズ号」が遅れた場合の払い戻し具体例
「サンライズ号」に乗る場合は
「乗車券+特急券+寝台券」の3枚のきっぷが必要になります
(格安のノビノビ座席は乗車券と特急券だけで乗れる)
特急券は
もちろん、2時間以上の遅れなら払い戻しとなります。
ただし実際には
「追加料金無しで、途中の駅で新幹線に乗り換えてねー」
と誘導されて、特急券の払い戻しの扱いをしないことが多いようです。
(途中で新幹線に乗り換えれば、遅れを一気に取り返せるので)
特に東京行きの場合は・・・。
寝台券に関しては
あくまでもベッドを使うサービスに対してお金を払っているため
朝6時までベッドで寝れた場合は
「ちゃんと朝までベッドで寝れたんだから、払い戻ししませんよ」という扱いになります。
6時より前に寝台が寝台が使えなくなった(列車を降りざるを得なくなった場合)には払い戻しとなります。
が、よほどの非常事態でない限りは「朝6時を過ぎるまで車内で待機」という状態になるはずなので
寝台券の払い戻しは、まずありえないと考えたほうが良いでしょう。
例えば
大阪からB寝台個室(ソロ)で東京行きに乗った場合で
東京到着が、定刻の7時8分より2時間以上遅れて9時半に着いた場合。
・特急料金2960円
・寝台料金6660円
合計9560円のうち、戻ってくるのは特急料金部分の2960円だけ
になるので注意してくださいね!
※ヤフーやジョルダンなどの乗り換え案内で出てくる「サンライズ号」の特急料金は、実は1人用個室「ソロ」(個室料金6600円)と特急料金を合計したものが表示される。
大阪から東京まで「サンライズ」に乗り、2時間以上遅れた場合
払い戻しされるのは、特急料金の2960円だけである
(9560円-個室料金6600円)
でも
めちゃくちゃ遅れたら全額返して欲しいと思うのが本音よね・・・。
予定も潰れる可能性高いし( ;∀;)
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