きっぷのルール

知らなかったじゃ済まない!JR分割乗車券のデメリットと対処法

こんにちは。
鉄道で日本を旅するのが大好き
「てりん」と申します。

 

この世の中は、とかく
割り切れないことばかり。

 

せめて、乗車券は思う存分分割してやりましょう!ということで
このブログでは、分割乗車券テクニックというJRのきっぷ代を安くするテクニックを、まるで現代の錬金術かのごとく、チヤホヤチヤホヤと甘やかすように良いように書いてきました。

 

しかし、ただメリットを言うだけなら政治家でもできること。
子供と分割乗車券は甘やかして育ててはいけませんね。
やはり、分割乗車券の負の部分、デメリットについても書くことが義務と思い、この記事をしたためます。

 

「そもそも、分割乗車券って何?」という方はまずはこの記事を参照ください。
割り切れぬ人生を今宵は忘れて・・・JR乗車券分割の仕組み注意点

2つのデメリットとは?

分割乗車券によるデメリットは、大きく2つあります。

1.旅行をキャンセルするときに、手数料が多くかかる

JR乗車券の使用をキャンセルする場合、1枚につき220円の手数料がかかります。

1枚の通しの乗車券を払い戻そうとすれば、当然220円で済むわけですが

仮に乗車券を5枚に分割していたものを払い戻そうと思ったら
220円×5枚=1100円
も必要になってしまうのです!

これはオソロシイ!!!

 

 

・・・なんて、本当はさほど怖くはないのだけれど。

 

JRの乗車券は有効期間内に一度だけ手数料無しで他の日の他の区間のものに変更することができます。

なので、別の休みの日の家の近くの別の区間のきっぷに変更すれば、実質手数料はかからずにキャンセルができるわけです。

 

これは、過去に僕が実際に行った
分割乗車券の変更例です。

 

・旅行をキャンセルした乗車券
大阪→金山(名古屋市内)の分割乗車券(それぞれ往復乗車券として購入。値段は片道あたりの金額)

4月10日 大阪⇔京都 560円
4月10日 京都⇔岐阜 1940円
4月10日 岐阜⇔金山 540円

まともに払い戻ししようとすると
220×3=660円の手数料がかかってしまいます(往復乗車券は一往復で1枚の乗車券として手数料を計算する)

 

これを、それぞれ
4月10日に窓口で次のように変更しました。

 

4月18日 大阪⇔京都 560円(友達との京都観光に利用)
4月23日 大阪⇔天満(大阪環状線。大阪の隣の駅) 120円(ちょっとした買い物のおでかけに利用)
4月29日 東京⇔海浜幕張 550円(イベントで東京遠征したときの交通費の足しに)

(変更のため手数料は0円。乗車券の合計金額が減ったので、その差額が返金となる)

 

 

変更を申し出る日の、1ヶ月先の日付まで変更可能です。

なお、すべて大阪駅で乗車券の変更をしました。
原則としてJRの駅の窓口ではその駅を起点とするきっぷしか販売をしないので、大阪駅では東京から海浜幕張という、大阪が全く関係のないきっぷは作らないのが原則なのですが、乗車券の変更に関しては受け付けてくれるようです。

 

金券ショップで仕入れた分割乗車券(「JR格安きっぷ」などと謳われて販売されているもの)については、ほぼ100パーセント回数券タイプ(バラ売り)なので、日付や区間の変更などはできません。

回数券の有効期限がくるまでに、別の日にその区間を旅行するようにしましょうね。

 

 

大きな注意点は
乗車券を分割すると1枚あたりの区間が短くなるため、乗車券の有効期間が1日のみになってしまうことが多いということ。
(1枚あたりの距離が100キロ未満の乗車券は有効期間が1日のみとなる。有効期間についてくわしくはコチラ

つまり、もし当日旅行をキャンセルした場合、その日のうちに乗車券を変更しに行かなければならないということです。

当日キャンセルする主な理由といえば、熱などの急病が多いでしょう。
ということは、旅行当日に窓口へ行くのが難しい場合も多いということ。

ですので、できるだけ往復乗車券として購入しておく(往復にすれば有効期間は最低2日間となる)などの対策をあらかじめとっておきましょうね。

悪天候などトラブル発生で引き返す際に、切符代が全額戻ってこない(ことがとても多い)

たとえば、大阪から東京までの1枚の通しの乗車券を持って旅行したとします。

ところが静岡駅まで来た時点で悪天候により電車が止まってしまい、東京まで行けなくなったとします。

この場合、やむなく大阪に引き返した場合、旅行中止となり乗車券のお金は全額戻ってきます。引き返すきっぷ代もタダ!(無賃送還といいます)

なぜなら
大阪から東京まで行くという契約で買った乗車券なので、東京へ行くという契約が守られなかったことになるので、当然お金を返してもらえるからです。

大阪まで引き返すお金も、契約不履行が原因で引き返すわけなので、当然負担する必要はありません。

 

一方
「大阪から名古屋までの乗車券」
「名古屋から東京までの乗車券」
の2枚を持って、同じように静岡駅でそのまま引き返すことになった場合

戻ってくる乗車券の金額は、名古屋から東京までの乗車券の方だけです。

なぜかというと
大阪から静岡まで来れたということは、すでに名古屋を通過しているわけですから
「大阪から名古屋まで行く」という契約はすでに果たされたということになるからです。

(名古屋駅で一旦降りて改札の外に出たかどうかというのは関係ない話。あなたの体が無事に名古屋まで着いたその時点で、乗車券の役割は果たされたことになります)

 

なので、大阪から名古屋までの乗車券はすでに使用済みという扱いとなり
払い戻しもへったくれもないということになるのです。

 

うすうす感づいている人もいるかと思いますが
このケースで静岡から大阪まで引き返す場合は、帰りの名古屋から大阪までの乗車券は別途ちゃんと買わないとダメですよ。

なぜなら、静岡にいる時点で手元にある有効な乗車券は、「名古屋から東京までのきっぷだけ」なのですから。

 

このようなケースで静岡駅で降りて改札を出てホテルに泊まったりした場合には
大阪から静岡まで旅行をしたという形になり、返ってくるお金は静岡から東京までの区間の分の金額だけとなります。(これは分割でも通しでも同じこと)

あくまでも「静岡まではあなたを無事に運んだんだから、その分のお金は払ってね」ということになるわけです。

 

分割乗車券の場合は途中の駅で先に進めなくなったときに、このように何枚かのきっぷはすでに使用済みという扱いになっている為に、そのぶんのきっぷの払い戻しができない上に、引き返す際にもう一度乗車券を買って(あるいはあらかじめ用意していた帰りの分を使って)帰る必要が出てくるわけです。

理解度を試す?応用クイズ

最後に、ちょっと難しいクイズを出すよ!

 

 

以下のような4枚の乗車券を組み合わせて、大阪府堺市の百舌鳥(もず)駅から旅行を始めたとします。

・百舌鳥→160円区間のきっぷ(大阪市内の入り口である杉本町駅まで)
・大阪市内→唐崎(湖西線)経由:大阪駅から東海道線・岐阜駅・高山本線・北陸線・湖西線
・唐崎→京都 回数券
・京都→大阪 昼特きっぷ(現在は廃止になったお得なきっぷ。回数券と同じと考えてください)

 

このとき、大阪駅から特急「ひだ」に乗って高山に向かおうとしていたところ(どこの駅でも途中下車はしていない)
岐阜駅で立ち往生し、結局飛騨方面が大雪で運休になったために自宅の百舌鳥に引き返すハメになった場合
全てのきっぷのお金は戻ってくるのでしょうか?

 

こたえ

・大阪駅で「ひだ」に乗ったということは、杉本町はすでに通過していることになるので
百舌鳥→160円区間のきっぷは使用済みということになり、戻ってこない。

・大阪市内→唐崎の乗車券はまだ経路の途中で、さらにどこの駅にも途中下車していないので、道半ばで引き返すということになり、手数料0円で返金となる。(もちろん「ひだ」の特急料金も)

また、大阪市内である杉本町までは無料で引き返すことが可能。帰りは百舌鳥までの160円を支払って帰りましょう。

残りの2枚のきっぷは、まだ使用していないもののバラの回数券と昼特きっぷなので、返金の対象外。
別の日に使いましょうね。

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