こんにちは。
鉄道で日本を旅するのが大好き。
いかに、1円でも安いきっぷを買うかに頭をこねくり回している
「てりん」と申します。
さて、今回は
「JRのきっぷを1円でも安く買う方法」の超マニアック版。
「一筆書ききっぷ」と「普通の乗車券」
これら複数の乗車券を利用する場合の、もっとも安くなる組み合わせのパターンの研究でございます。
1枚の一筆書ききっぷだけでは、ルートが一部重複してしまうがゆえに出発駅に戻れないため、補助的に別の乗車券を買う場合などですね。
この記事は、少なくとも
・乗車券分割テクニック
・一筆書ききっぷ
この2つの用語の意味がわかっていないと理解不能な記事なので、気になる人はそれぞれの解説記事を見てね。
>>>往復より片道がお得?JRの「一筆書き切符」の仕組みとは?
では今回は
「こういったルートで旅行する場合、どんな一筆書ききっぷを作れば運賃が最も安くなるのか?」
というのを、具体的なルートを例にしてやってみましょうね。
今回は一応最安値の答えを用意していますが、もしかしたらもっと安いきっぷの組み合わせがあるかもしれません。
自分で探してみるのも楽しいですね。
(以下、乗車券運賃は消費税10%時のものに書き直しています)
もくじ
一筆書き切符における「驚安の殿堂」を発見せよ!
乗車券の起点はどこだ?!
今回のルートは
大阪→(東海道本線)→山科→(湖西線)→近江塩津→(北陸本線)→金沢→(北陸新幹線)→長野→(信越本線)→篠ノ井→(篠ノ井線)→塩尻→(中央西線)→金山→(東海道本線)→大阪
重複する区間が出てきてしまうので、一枚の一筆書ききっぷだけで移動できるルートではありません。
少なくとも2枚の乗車券を組み合わせる必要がありますね。
つまり複数の乗車券の組み合わせ方が今回のキーポイントなわけです。
まずポイントになるのが
一筆書ききっぷの起点(スタートする駅)をどこに置くのか?です。
一筆書ききっぷの起点を大阪にすると
最終的に山科でルートが重複して運賃計算が打ち止めとなるため
山科→大阪の乗車券を別途用意する必要がある(あるいは、連続乗車券として作る必要がある)わけです。
もうひとつ
山科駅の1つ北にある、湖西線の大津京駅を起点とするパターンも考えられます。
これなら、大津京→長野→大阪まではルートが重複しません。
大阪→大津京の乗車券を別途用意すればオーケーです。
(この場合は、連続乗車券として作ることはできません)
では
まずは大阪駅を始点とした場合のパターンを見てみましょう。
なお、この計算は、時刻表を片手に手計算でするにはかなりの重労働です。
そこで今回は(しょっちゅうお世話になってますが)
「乗車券分割プログラムの実行」サイト様を使って計算させてもらいました。
みなさんも、こちらを使って計算してみてくださいね。
では本題へ。
大阪駅を始点とした場合の一筆書ききっぷ
大阪市内→金沢→長野→名古屋→山科の一筆書ききっぷの運賃は11880円。
そして、山科→大阪の乗車券の運賃は860円。
合計で12740円
となります。
でも、これはまだまだ高い方。
さあ、ここから安くしていきましょう。
そこでまずは使いたいテクニックは
乗車券分割テクニック
山科→大阪間は
・山科→京都 190円
・京都→大阪 570円
と、2枚の区間に分けることで
合計760円となります。
金券ショップで回数券の組み合わせで買うとさらに安くなりますが
ここでは、定価の普通運賃で計算をしていきます。
つまり、一筆書ききっぷで大阪を始点とすると
・大阪市内→長野→山科 11880円
・山科→京都 190円
・京都→大阪 570円
合計12640円
ということで、このように安くなるわけで・・・
「まだだ!まだ終わらんよ!!」
乗車券分割プログラムで大阪→長野→山科の一筆書きの乗車券を検索すると、以下のような
「一筆書きの区間は、こうやって分割した方が安くなるよ!」という結果が出ます。
・大阪→岸辺 180円
・岸辺→長野→山科 11550円
合計11730円
※岸辺は、大阪駅と京都駅の間にある東海道本線の駅
そう。
一筆書ききっぷの始点を岸辺にすることで距離(営業キロ)が短くなり、11880円から11550円に下がります。
つまり、330円安くなるわけですね。
しかし、こうすると大阪から岸辺までの区間が切れてしまうので、別途乗車券を用意しなくてはいけません。
大阪→岸辺の乗車券は180円。
でも、この180円の乗車券を別途買ったとしても、330円安くなっているので
330-180=150円
トータルでは安くなるというわけ。
「一筆書ききっぷの方も、分割ができる」というお話でございました。
まとめると
・大阪→岸辺 180円
・岸辺→長野→山科 11550円
・山科→京都 190円
・京都→大阪 570円
合計 12490円
おおっ!
最初の12740円に比べて、250円も安くなりましたね!
これが、最安値なんでしょうか??
大津京駅を始点とした場合の一筆書ききっぷ
では、続いて
「大津京を始点とした場合」で検証してみましょう。
大津京→長野→大阪市内の一筆書ききっぷの運賃は、大阪駅を始点とした場合と同じで、11880円となります。
そして、足りない区間(大阪→大津京)の乗車券は
・大阪→京都 570円
・京都→大津京 240円
分割して買うと810円となり、これがもっとも安い買い方になります。
よって
11880+810= 12690円
ただし、大津京→長野→大阪の一筆書ききっぷも
乗車券分割プログラムで検索すると
・大津京→長野→岸辺11550円
・岸辺→大阪 180円
と、分割した方が安いという結果が出ましたので、トータルは
・大阪→京都 570円
・京都→大津京 240円
・大津京→長野→岸辺 11550円
・岸辺→大阪 180円
合計 12540円
ということで、残念ながら
大阪駅を始点とした一筆書ききっぷの方が、12490円とトータルの値段が安かったので
軍配は大阪駅始点の・・・
「その程度か、小僧?!」
?!
「サブの乗車券の値段」がキーポイント
・大阪→京都 570円
・京都→比叡山坂本 330円
・比叡山坂本→大阪市内 11550円
合計 12450円
※比叡山坂本駅は、大津京駅から2つ北(金沢寄り)にある湖西線の駅
この12450円が、僕が出した今回のルートの最安値です。
一筆書ききっぷの始点を大津京から北に少しずらし、比叡山坂本駅からとしたことで距離を短くすることができ、これにより大阪市内までの運賃が一段階安くなり11880円から11550円に下がりました。
そして、あとは大阪→比叡山坂本の乗車券を、京都分割で買い足したというわけ。
この「乗車券の分割プログラム」は
あくまでも指定された一筆書ききっぷの区間を、もっとも運賃が安くなるように分割するプログラムされています。
そのため
一筆書ききっぷの始点をずらしたほうが安くなるという計算はできないのです。
考えてみれば
大津京駅を一筆書ききっぷの始点としたのは
あくまでも区間が重複しないため
(こうしないと、帰りの米原・草津方面から大阪方面へ抜ける時にルートが重なってしまう)という理由であって
必ずしも大津京駅をスタート駅にしないといけない理由はないのです。
なので
その2駅北にある比叡山坂本駅をスタート駅にしても構わないわけです。
今回はこの考え方を応用し
大阪→大津京 810円
大阪→比叡山坂本 900円
(ともに京都で分割した場合)
と、90円しか運賃が変わらないことを利用して、一筆書ききっぷの距離を短くしたわけです。
パズル感覚で楽しみましょう
かくして
最初の12740円から290円安い
12450円が最安値、ということでした。
「安くなった!安くなった!」
とはいうものの
290円安くなったからといって
別に、金額的にはさほど嬉しくはありません。
うまい棒が31本しか買えない金額ですからね。(ドンキで1本9円で仕入れた場合)
けれど
なんだかパズルを解いたかのような快感を覚えて、これがクセになっちゃうんですよねー。
「マツコの知らない運賃計算の世界」とか出れないかなー。
無理だなー。ゴールデンにとことん向いてないもんなー。
変態さ加減ではいい線行ってるけどなー。
(2019年2月3日追記)
コメントにて、12450円を下回る分割を教えていただきました。
●大阪市内→石山 11550円
●石山→京都 240円
●京都→大阪 570円
合計 12360円
石山で分割・・・。
これは盲点でした・・・!
「通りすがり」さん、ありがとうございました!
最安値を90円更新!
さらに新しい記録は出てくるのでしょうか・・・?
おまけ:「風船型」一筆書ききっぷを検証
以上
「大阪(岸辺)を起点とした場合」と
「大津京(比叡山坂本)を起点とした場合」の2パターンで検証しましたが
もうひとつ、考えられるパターンがあります。それは
「山科→長野→山科」という、丸い形の一筆書ききっぷを作るパターンです。
僕個人はこのような形のきっぷを「風船型」と呼んでいます。
この場合
「京都市内→京都市内」の乗車券となるため
他に必要な乗車券は
●大阪⇄京都の往復乗車券
ということになります。
そこで、 このパターンの組み合わせで検証してみると
●京都市内→長野→京都市内 11550円
●大阪⇄京都 1140円(570円×2)
合計 12690円
あー、ぜんぜんダメでしたねー。
こうやって、いろいろなパターンを試してみることが大発見への近道なのですよ。
おしまい。
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