きっぷのルール

途中下車で得をする?「東京山手線内」JRきっぷの範囲と使い方

山手線

この記事を読むと、以下のことがわかります

・目的地または出発地が「東京山手線内」と書かれたきっぷの意味・使い方やその範囲がわかります

「東京山手線内」と書かれたきっぷのおかげで得する場合、逆にきっぷ代を損する場合がわかります。損する場合はその回避方法もわかります

 

こんにちは。
鉄道で日本を旅するのが大好き
「てりん」と申します。

 

今回は
目的地の駅や出発駅に「東京山手線内」と書かれたJRのきっぷに関するお話です。

基本的な使い方から
「知っていれば得をする嬉しい話」
「知らないといつのまにか損をしている怖い話」
までまで、詳しく解説していきたいと思います。

山手線内の乗車券の概要

山手線内ってどこからどこまで?

山手線内とは、以下の図の中の、太線で囲まれた部分です。

 

※東京山手線内の図

 

簡単に言えば
「JR山手線と、その円の中にある路線(中央線)」ですね。

山手線全駅と、中央線快速の東京〜新宿間、総武線各駅停車の秋葉原〜御茶ノ水〜新宿間が対象となります。

どんな時に山手線内の乗車券になるの?

簡単に言うと
「東京駅と、出発駅あるいは目的地の駅までの実際に乗車するルートの距離が101キロ以上離れている場合」です。

(ただし、201キロ以上離れていると、「東京山手線内」ではなく「東京都区内」という表記に変わります。こちらについて詳しくはこの記事を参照:途中下車可能?裏技も!都区内・市内JRきっぷ乗車券の範囲・使い方

 

「実際に乗車するルートの距離」という書き方をしたのは、最短距離では100キロ以下でも、迂回しながら進むルートで101キロ以上となれば東京山手線内となるためです。

 

たとえば東京〜八王子間は、中央線で行くと距離は100キロ以下ですが、東京〜茅ヶ崎〜八王子(相模線経由)というルートで向かうと101キロ以上となるため、きっぷには「東京山手線内〜八王子」と表記されます。

東京駅は東京山手線内の中心駅なので、この駅からの距離を基準としています。

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山手線内の乗車券の使い勝手は?

山手線内のどの駅でも乗り降りできる

東京山手線内着と書かれた乗車券は、山手線内のどの駅へ降りても大丈夫です。

逆に、東京山手線内発と書かれた乗車券は、山手線内のどの駅からでも使い始めることができます。

途中下車の取り扱いについて

山手線内の乗車券でも、途中下車可能な乗車券の要件を満たしていれば途中下車が可能です。

 

ただし!

山手線内の駅のどれか1つの駅を降りて改札を通った時点できっぷは回収されそれ以上使用できなくなるので要注意!

 

逆に山手線内の駅から出発する場合も、山手線内での途中下車はできません。

例:東京山手線内から静岡までの乗車券で旅行する場合(東海道新幹線経由)

いったん山手線内から出ないと途中下車できない。そのため、品川駅よりも先、大井町駅から先の各駅では途中下車が可能。

東海道新幹線は、きっぷのルール上は東海道本線(在来線)と同一路線として扱うので、新幹線経由と書かれた乗車券でも在来線の駅で途中下車が可能です。

 

途中下車について、もう少し詳しく知りたい方はこの記事を参照ください
鉄道旅行最大の魅力!途中下車とはどんなルールなのか?

運賃は東京駅発着で計算します

JRのきっぷ代は、出発駅から目的地の駅までのレールの距離(営業キロという。実際のレールの距離と異なる場合あり)で計算します。

東京山手線内と書かれた乗車券の運賃は、すべて東京駅発着として計算をします。

池袋から電車に乗っても、品川で降りても、すべて東京駅発着として運賃計算をしますよ!

ICカード利用でも同じルールが適用される?

ICカードを利用した場合にも、同じルールが適用されます。

ちなみに、残高履歴に表示される乗車区間には「東京山手線内」という文字は表示されません。
あくまでも実際に乗り降りした駅名のみ表示されますが、運賃は東京山手線内発着の場合と同じとみなして引き落とされています。

参考

東日本旅客鉄道株式会社ICカード乗車券取扱規則

第29条
IC運賃の計算上の経路等については、旅客規則第68条第1項第1号、同条第2項、同条第4項第1号から第2号、第69条第1項第2号から第5号、第70条から第71条、第86条第1号から第2号、同条第10号及び第87条の規定を準用します。

注:旅客営業規則第87条に、この山手線内のルールが記載されている

山手線内で得する人、損する人

山手線内のどこから乗り降りしても東京駅発着の運賃で計算するということは、場合によっては得する人・損する人が出てくるということです・・・。

山手線内の乗車券で得する人

例:品川駅から前橋駅まで高崎線経由で利用する人

品川〜前橋間の営業キロは121.6キロなので運賃は2270円になるはずですが(120.1キロ以上なると運賃が上がる)
東京と前橋は101キロ以上離れているので、乗車券は「東京山手線内〜前橋」となり、東京駅発着で計算します。
東京〜前橋は 114.8キロなので、実際の運賃は1940円で済みます。

 

山手線内の乗車券で損する人

例:品川駅から三島駅まで新幹線を利用する人

品川〜三島間の営業キロは113.9キロなので運賃は1940円となるはずですが、この場合は「東京山手線内〜三島」の乗車券となり、東京〜三島間の120.7キロで計算することになり、運賃が1段階上がって2270円になっちゃいます。

しょぼん。

 

損しないためにはどうすればいい?

残念なことに、今の品川〜三島の例のように損するケースの場合、運賃を1940円に変えるテクニックというのはありません。

しかし、2270円より安くする方法ならあります。
その名はズバリ
「乗車券分割テクニック」

 

このテクニックは
「きっぷを通しで買うのではなく、いくつかの区間のきっぷに分割して購入することで、トータルの値段を安くする」というものです。

具体例を見たほうが早いですね。
品川〜三島間を、以下のような4枚の乗車券に分けると安くなります。

品川~鶴見 220 円 14.9 キロ
鶴見~東戸塚 220 円 15.0 キロ
東戸塚~藤沢 240 円 14.4 キロ
藤沢~三島 1140 円 69.6 キロ

合計 1820円(定価2270円より450円安い)

なんと!
1940円より安くなっちゃいましたね。

 

駅間の距離が70.1キロ以上になると、きっぷ代は1320円になります。
藤沢~三島間は69.6キロなので、きっぷ代が1140円の範囲でギリギリいけるところまで距離を稼いでいます。

分割乗車券とは、このようなコスパの良いきっぷを組み合わせることで、トータルのきっぷ代を安くしようとするものなのです。

 

このような乗車券は、駅のラベンダー色の券売機「指定席券売機」で買うことが可能です。

※JR東日本の主要な駅にある「指定席券売機」

乗り越しでも得をする?!

東京山手線内と書かれた乗車券の乗り越しは、山手線内の駅の中で、乗り越しする駅に最も近い駅からの運賃を精算します。

 

例:赤羽駅へ乗り越す場合

山手線内で赤羽に一番近い池袋駅からの乗り越しとなり、赤羽〜池袋間の運賃を精算する(160円)

 

この場合、田端駅方面から赤羽駅に京浜東北線や上野東京ラインでやってきた場合(つまり、池袋駅をかすりもすないルートで来た場合)でも同じ方法で精算額を計算をします。

山手線内のきっぷは東京駅を基準に計算しますが、乗り越しは東京駅からの分を計算するわけではないことに注意!

 

逆に、山手線内発の乗車券を持っていて、山手線のエリア外から乗る場合は、山手線内の駅の中で一番近い駅までの乗車券を買えば、そのまま最終目的地まで乗ることができます。

 

例:東京山手線内発富士川行きの乗車券2590円を持った状態で、赤羽駅から出発する場合(東海道線経由)

最寄りの山手線内の駅である池袋までの乗車券160円を赤羽駅で買って乗れば、そのまま上野東京ラインや東海道新幹線を経由して富士川まで行くことが可能(2590+160=2750円)

 

赤羽〜富士川の通しの運賃は3020円なので、実は上記の買い方をすると270円安くなっちゃうんです!(結果的に「乗車券分割」と同じことをしているため)

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