※自動改札機でエラーが出たら、まるでゴルゴ13になったかのように、後ろの人の視線が気になる・・・。(電車あるある)
こんにちは。
鉄道で日本を旅するのが大好き
「てりん」と申します。
このブログでは、さまざまな途中下車のパターンや自動改札機との関係について書いてきましたが、案外シンプルなテーマについて書いていませんでした。それは
「途中下車のきっぷって、途中下車したい駅の自動改札機に通せるの?きっぷが回収されたりしたらどうするの?」
ということです。
途中下車初心者にとって、これは結構切実な問題ですね。
万一回収されて機械から出てこなくなってしまったら、わざわざ駅員さんに頼んで機械から出してもらわないといけなくなるだろうし・・・。
今回は、その点について書いてみました。
・・・と、その前にまずは、途中下車の基本を押さえておきましょう。
そもそも途中下車とは?
途中下車とは、JRの乗車券のルールの一つで、きっぷに記載された最終目的地までのルート(経由路線)の途中にある駅で、きっぷを回収されることなく下車(観光などのために改札の外に出ること)でき、再度そのきっぷを持って最終目的地までのルートを進むことができる制度です。
ルートを引き返したり、二度同じ駅を通ることがない限りは、何度でもどこの駅でも途中下車をすることができます(一部例外あり)。
途中下車できるきっぷとなる条件や、途中下車可能なきっぷかどうかの見分け方など詳しくは、この記事を参照ください:鉄道旅行最大の魅力!途中下車とはどんなルールなのか?
(別タブで開きます)
それでは、関連記事を読んで途中下車の基本を押さえた方、またはもともと理解している方は本題へ進みましょう。
果たして、途中下車のきっぷは自動改札機に通しても大丈夫なんでしょうか?
※なお、今回は途中下車に関する話なので、対象となるきっぷの種類は乗車券のみです。
以下この記事では、乗車券を「きっぷ」という言葉で表現します
自動改札機に通しても大丈夫?
まずは結論から。
途中下車のきっぷは、そのまま自動改札機に通しても大丈夫です。
途中下車ができるはずなのに機械が受け付けないケースの場合は、エラーできっぷが戻ってくるので、誤って自動改札機に吸い込まれてしまう(回収されてしまう)ことはまずありません。
エラーできっぷが戻ってきた場合は、駅員さんのいる有人改札を通って抜けましょうね。
自動改札機を通るとエラーが出てしまうパターンは、主に以下の通りです。
自動改札機でエラーが出てしまうパターン
・自動改札機自体が途中下車に対応していない場合
※2019年現在はかなり少なくなったと思いますが、まだある可能性があります。
・青春18きっぷなどの、細長いタイプのきっぷ
※普通のきっぷでも、経由路線が多い場合には細長いきっぷで発行される場合があります。
・いわゆる「裏が白いきっぷ」
※手書きで書かれたきっぷや、車内で車掌さんが機械で発行したきっぷなどが該当します。
●70条区間内にて、最短ルート上にある駅以外の駅で途中下車する場合
※経由する路線が多すぎて、細長くなってしまったきっぷ(120mm券)。
右下の、亀の甲羅みたいなマルの中に×と書かれている記号は、自動改札機を通れないものだという意味。
経路が多すぎるからといって細長いきっぷになるかどうかは、マルス(きっぷを発行する機械)の種類によって変わるとのこと。
経由路線が17以上になると機械での発行が出来ず、手書きのきっぷになる。
・・・これが主なパターンです。
つまり、普通のきっぷで途中下車する場合には、大抵の場合問題なく通れると考えて良いでしょう。
以上の場合は、結局エラーが出てきっぷが手元に戻ってくるので、改めて有人改札を通ればそれで済む話なわけです。
一番困るのが「そのままきっぷが自動改札機に回収されてしまうパターン」ですが、これはどのような場合におこるのでしょうか?
きっぷが回収されてしまい、手元に戻ってこないパターン
・そもそも、途中下車できるきっぷではない
※前途下車無効と記載されているものや、途中下車できませんとはっきり書いているきっぷ。
・途中下車できるきっぷだが、東京23区や大阪市内などの特定都市を出発地(目的地)とした場合で、その都市内の駅で下車した場合(関連記事:途中下車可能?裏技も!都区内・市内JRきっぷ乗車券の範囲・使い方)
※たとえば、「大阪市内発東京都区内行きと記載されたきっぷの場合、大阪市内と東京23区内の駅では途中下車がそもそもできないため、きっぷは回収されます。
以上をまとめると
「自動改札機に回収され、手元にきっぷが戻ってこない場合というのは、そもそもその駅で途中下車ができないきっぷを通す場合なので、当たり前のこと」だと言えます。
その駅で降りる以上、回収はやむを得ないということですね。
一番困ってしまうパターンは
出発した都市内で途中下車をしてしまい、まだほとんどきっぷを使ってないのに回収されてしまった場合でしょう。
たとえば、大阪市内から東京都区内までのきっぷを買い、そのきっぷで大阪市内の天王寺駅から乗車し、同じく大阪市内である大阪駅で途中下車しようと思い自動改札機に通してきっぷが回収されてしまった場合などです。
「まだ大阪市内も出てないのに、8750円のきっぷがパァになってしまった・・・」
ということも起こりえます。
気を利かせてエラーできっぷを戻してくれる仕様になっているかも知れませんが、きっぷのルール上では大阪駅で旅行が終わってしまうので、回収されても全然おかしくありません。僕は怖くて試したことはありません。
このように
出発した特定都市内で途中下車したい場合には、出発した駅から途中下車したい駅までのきっぷ代を別途精算することで、手元のきっぷを回収されずに済むルールとなっています。
(例:大阪市内から東京都区内のきっぷを持った状態で天王寺駅から乗車し、同じ大阪市内である大阪駅で途中下車したい場合は、天王寺〜大阪間の190円を払えば、手元のきっぷを回収されることなく下車することができる)
どうしても出発地の都市内の他の駅で途中下車したい場合は、わざわざ駅で精算するのも面倒なので、いったん出発地の駅から途中下車したい駅までのきっぷを買い、改めて途中下車した駅でメインのきっぷを使い始めるか、出発地をその都市内から外れた場所にずらして買うという方法をとるか、どちらかにする必要があります。
(たとえば、出発地を天王寺よりも南にある阪和線の堺市駅(その名の通り堺市の駅で、大阪市内の駅ではない)にして、「堺市から東京都区内」のきっぷにすれば、天王寺から乗車し、大阪にも途中下車できる。距離が伸びる分乗車券の値段が上がるので、得するか損するかは、どこの駅で途中下車するかで変わる)
以上、途中下車と自動改札機についてのお話でした。
いろいろ書きましたが、結局途中下車できるきっぷであれば、どちらにしてもエラーが出てきっぷは戻ってくるわけなので、心配せず有人改札を通りましょうね。
コレクション気分を楽しめる「下車印」
途中下車できるきっぷを持っていても、あえて自動改札機を使わず、有人改札を通る人もいます。
そのお目当ては「下車印」。
※途中下車できるきっぷを持っているのに自動改札機を通れない場合には、有人改札でその駅の下車印(スタンプ)を押してもらうのが原則。どこの駅で降りたのかをきちんと記録するのが目的。駅員さんも手馴れたもので「どこに押して欲しいですか?」と訊かれることもしばしば。
でも、たくさん下車すると、この写真のようなカオスな状況に・・・。
駅ごとに色が違うし、デザインも微妙に違ってカラフルで面白いです。
あえて、下車印目当てで有人改札を通るのもアリかもしれませんね。
ただし、きっぷの表面の素材とスタンプのインクの相性があまり良くないせいなのか、ちょっとこするだけで汚れて印が見えにくくなってしまい、さらに乾くのが非常に遅いので、綺麗に下車印をキープするのは至難の業です・・・。
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